認知科学への招待―心の研究のおもしろさに迫る

大津 由紀雄/波多野 誼余夫【編著】

研究社（2004/11発売）

• サイズ A5判／ページ数 289p／高さ 21cm
• 商品コード 9784327378103
• NDC分類 141.5
• Cコード C3011

出版社内容情報

　「心の働き」（知覚、学習、記憶、創造性、言語など）を解明しようとする認知科学の多様な研究領域を鳥瞰し、そのおもしろさを初学者にも分かりやすく解説したガイドブック。各分野の専門家19名が執筆。

著者紹介／著者による他の著作等
大津由紀雄（おおつ　ゆきお）
　慶応大学言語文化研究所教授。著書に「小学校での英語教育は必要か」（慶応義塾大学出版会）、「英文法の疑問」（日本放送出版協会）など。「岩波講座言語の科学」、「認知科学選書」（東大出版会）などを編集。
波多野誼余夫（はたの　ぎよお）
　放送大学教授。著書に「知的好奇心」（中公新書）、「生涯発達の心理学」（岩波新書）、「文化心理学入門」（岩波書店）など。「認知心理学」（東大出版会）、「認知科学ハンドブック」（共立出版）などを編集。

第１章　認知発達 （旦　直子）
第２章　学習科学 （三宅なほみ）
第３章　記　憶 （梅田　聡）
第４章　創発的認知から見た問題解決 （鈴木宏昭）
第５章　創造性 （堀　浩一）
第６章　言　語 （大津由紀雄・今西典子）
第７章　語用論と認知科学 （西山佑司）
第８章　他者理解 （板倉昭二）
第９章　比較認知科学 （藤田和生）
第10章　動物のコミュニケーション行動とことばの起源 （岡ノ谷一夫）
第11章　心の進化 （長谷川寿一）
第12章　文化と認知：心に理論をめぐって （波多野誼余夫・高橋惠子）
第13章　計算理論・脳機能計測・実験心理学の融合 （今水　寛）
第14章　脳機能画像 （田中茂樹）
第15章　神経心理学 （山鳥　重）
第16章　神経生理学 （入來篤史）
第17章　心の哲学 （信原幸弘）
巻末対談「認知科学をめぐって」（大津由紀雄・波多野誼余夫）

内容説明

知覚、学習、記憶、創造性、言語などの「心」の働きを解明しようとする認知科学の多様な研究領域とそのおもしろさを、各分野の専門家が分かりやすく解説。

目次

認知発達
学習科学
記憶
創発的認知から見た問題解決
創造性
言語
語用論と認知科学
他者理解
比較認知科学
動物のコミュニケーション行動とことばの起源
心の進化
文化と認知：心の理論をめぐって
計算理論・脳機能計測・実験心理学の融合
脳機能画像
神経心理学
神経生理学
心の哲学
対談：認知科学をめぐって

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[武井 康則]

認知科学の面白さを伝えたいと前書きにあるが、全く伝わらない。賞ごとのページ数が少ないので内容が浅い。執筆当時は最新だった内容も古びて知ったものばかり。何より困ったのは、これだけのページ数で学問内容を紹介しろと言われた筆者だろう。初心者向けにしては、専門用語が注なしで入る。しかし初心者でも知っていることばかり。認知科学を概括出来る本を作りたかったのだろうが、これでは目次のみの本だ。大学の教養課程の教科書で教官が補足しながら説明するのに使うのだろうか？

2019/11/27

[ゆで卵]

数少ない認知科学入門の良書。著者によって内容の濃淡に違いがあり、第六章の言語、第十四章脳機能画像は細かいところまで書いてある。「認知科学」という一つの分野(cognitive science)なのか、色々な分野の集大成としての認知科学(cognitive sciences)なのかという対談があるが、やはり個人的には現状はまだ後者のような気がする

2012/03/18