出版社内容情報
この伝説の歴史を探ることは、イギリス文化の基層、古層にふれることになる。著者長年の研究が結実した力作評論。図版多数。
内容説明
中世のシャーウッドの森に生まれてから600年あまり、今なお語りつがれ、歌いつがれるロビン・フッド伝説のすべてが、ここに姿を現わす。
目次
シャーウッドの森を訪ねて
ロビン・フッドとはだれなのか
中世のバラッド
五月祭
ルネサンス演劇
近代のブロードサイド
18世紀の音楽劇
19世紀の音楽劇
ロマン派の作家たち
児童文学の誕生
20世紀における展開
スーパーヒーローとしてのロビン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しいかあ
1
ロビン・フッドの伝説が時代ごとにどのように受け入れられていったかを解説した本。歌や劇など様々に形を変え、時代ごとに新たな物語や登場人物を加えながら伝説が拡大していく様子がたくさんの挿絵と共にわかりやすく書かれている。ロビン・フッドはよく知らなかったけど、水滸伝みたいな話だったのね。水滸伝は決定版ともいうべき百回本が作られたけど、ロビン・フッドは全然決定版が作られなかった。確固たるストーリーが確立するのと、その都度新しい物語が生成されていくのと、優劣はないんだろうけれど、比べてみると面白い。2012/03/14