内容説明
最高の物語、丁寧な注釈、信頼できる訳文。イシグロ、ル=グウィン、バロウズ、シャーリイ・ジャクスン…英語で書かれた小説を辞書なしで100%楽しむ本。
目次
I・A・アイルランド「幽霊ばなしのためのエンディング」
W・W・ジェイコブズ「猿の手」
シャーリイ・ジャクスン「くじ」
アーシュラ・K・ル=グウィン「オメラスから歩き去る者たち」
ウィリアム・バロウズ「ジャンキーのクリスマス」
カズオ・イシグロ「日の暮れた村」
ジェームズ・ロバートソン「坑夫」
授業後の雑談
著者等紹介
柴田元幸[シバタモトユキ]
翻訳家、東京大学名誉教授。東京都生まれ。現代アメリカ文学を数多く翻訳。2010年、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』(新潮社)で日本翻訳文化賞を受賞。文芸誌『MONKEY』、および英語文芸誌MONKEY責任編集。2017年、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんさん
25
『英文精読教室という名の海外短編小説集』 柴田元幸さんが選んだ海外短編小説の原文と翻訳に註をつけたシリーズの第1巻。古典から現代のものまで幅広く選ばれていて、短編小説集として読んでも、とても楽しめる。このあと、原文(英文)も、じっくりと味わおうと思う。2021/11/12
にたいも
7
「物語を楽しむ」だし、1巻だし、と気軽に開いたが、ゾゾッ、ひぃぃぃ、怖…人って怖い、そうだよねル=グウィンさんそうだわ、あ〜アメリカ文学、闇の中の夢みたい、ほのかな希望、の7篇でした。楽しいお話を集めてみた♪ではなくて、「物語の名手の技を楽しむ」「物語の展開を楽しむ」「英米文学のバラエティぶりを楽しむ」という意味の楽しむだったようだ。柴田元幸さん節の注釈、「ちなみに」「雑談」も面白かった。他の巻も読みたい。2024/01/07
Omelette
3
この本の良いところは、まずなんといっても作品のチョイス。短いけどしっかりおもしろい。文章もそんなに技巧的でない。テイストは「世にも奇妙な物語」ふうのものが中心。この本で精読が学べるかどうかはわからないが、とくに学習者がスピード感をもって短編を読み切るのは大事なことだと思うので、注釈の分量も適当であると思う。訳はシンプルで自分の解釈と「答え合わせ」しやすいと思う。それにしても、大辞書の膨大な項目数のうちに隠れている語義から、編著者のように正確なものを引っ張ってくる力はどうしたら育つのでしょうか。学識と経験か2021/07/20
timeturner
3
柴田さんの訳で読む7作品はどれも面白かったけど、対照しながら読むはずだった英文は挿入された数字が邪魔で読む気になれなかった。この方式で英文読解力が上がるのはよほど真面目な人ではないだろうか。2021/06/10
Ise Tsuyoshi
2
ちょっと不思議な話が7つ。考えてみると怖い話も。カズオ・イシグロの“A Village After Dark”は、哀しい結末なのか、救いがある話なのかが難しい。『充たされざる者』の下準備として書いたとのことなので、そちらを読めば何か掴めるだろうか。。2023/10/09