内容説明
戦災浮浪児佐野〓俊少年が読んだ賢治童話を、児童文学者佐野美津男が、いま、改めて読む。1976年2月、改めて読み始められた賢治童話は、1987年5月、佐野美津男の急逝により、未完となった。しかし、賢治と出会い向いあった歳月は十二分に語られているであろう。佐野美津男遺稿集。
目次
北守将軍と三人兄弟の医者
オッペルと象
どんぐりと山猫
蜘蛛となめくじと狸
ツェねずみ
クねずみ
鳥箱先生とフウねずみ
注文の多い料理店
からすの北斗七星
雁の童子
二十六夜
竜と詩人
飢餓陣営
ビジテリアン大祭
銀河鉄道の夜
風の又三郎
セロひきのゴーシュ
雪渡り
蛙のゴム靴
カイロ団長
猫の事務所
ありときのこ
やまなし
十月の末
鹿踊りのはじまり
狼森と笊森、盗森
ざしき童子のはなし
とっこべとら子
〈少年心〉―佐野美津男が構策しようとしたもの(鈴木雅夫)
著者佐野美津男について(山中恒)