出版社内容情報
第二次大戦以降の50年、女性は何を望み、模索してきたのか。50~90年代、イギリス女性作家が文学において問い、語り、拓いてきた、その多彩な営為をたどり、読みとくシリーズ。各年代の代表作を通し、それぞれの時代に女性が直面した問題群が浮かびあがる。本書は第1回配本の第4巻。価値観の多様化により、人々のアイデンティティが揺らぎを見せ始めた80年代。女性作家たちはセクシュアリティをめぐって解体され、再形成される自己意識を、新しいナラティヴを生みだすことにより表現していく。
目次
第1章 断片(切り裂かれた女)のコラージュ―エマ・テナント『ロンドンの二人の女』
第2章 マリアによる福音書―ミッシェル・ロバーツ『野生の女』
第3章 書く女―ジェイン・ガーダム『クルーソーの娘』
第4章 ジェインの感情教育―ドリス・レッシング『ジェイン・ソマーズの日記』
第5章 結婚しない女―アニタ・ブルックナー『秋のホテル』
第6章 死者を悼む―エレイン・ファインスタイン『国境』
第7章 「万華鏡」をとおして見る歴史―ペネロピ・ライヴリー『ムーン・タイガー』
第8章 道化からの脱皮・人間復活―ローズ・トレメイン『王政復古』
第9章 二つの「核」への警鐘―フェイ・ウェルドン『ジョアンナ・メイのクローンたち』
第10章 ジェンダーと語りの魔術―ジャネット・ウィンタスン『パッション』
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