出版社内容情報
60年代に激しく吹き荒れたフェミニズムの理論化と具体的な実践をめざし、世界の女たちが知恵と行動力を結集して社会に女の居場所を勝ちとっていった70年代。フェミニズム批評の勃興をうけ、しばらく忘れさられていたピム、コルゲイトら年輩の作家が再評価される一方、かつてイギリスの植民地だった英語圏の作家たちが活躍しはじめる。民族・国家・階級といった差異を認識し、異彩をはなつ作家たちの登場により、70年代の文壇は多様化の時代の到来を告げる。
内容説明
隠された差別構造と固定観念の解体をめざして。経験と知恵を結集し、女たちは“居場所”を勝ち取る。
目次
第1章 湖底からの生還―マーガレット・アトウッド『浮かびあがる』
第2章 不妊なんかこわくない―セアラ・メイトランド『エルサレムの娘』
第3章 子どもたちの闇―スーザン・ヒル『ぼくはお城の王様だ』
第4章 女性はいかに生きるべきか―ベリル・ベインブリッジ『ボトリング工場の遠足』
第5章 山を仰ぐ女―ルース・プローワー・ジャブヴァーラ『暑さと埃』
第6章 幻想を焼き尽くすインド―アニタ・デサイ『燃える山』
第7章 ローザの選択―ナディン・ゴーディマ『バーガーの娘』
第8章 世界戦争前夜―イザベル・コルゲイト『銃猟会』
第9章 “老い”のディコンストラクション―バーバラ・ピム『秋の四重奏』
第10章 “はざま”に揺れる風景―ピネロピ・フィッツジェラルド『岸を離れて』
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