出版社内容情報
平和の回復とともに男たちが戦場から社会復帰すると、風潮は再び結婚や家庭の重視へと傾く。表面の安定の陰で、イギリスは政治・経済的に世界のリーダーの座から凋落し始め、女性たちは自らの置かれた状況に疑問を持ち、いらだちはじめる。大きな変革の胎動の下で、女性の立場をめぐり生みだされた作品群は、新しい生き方への模索の緒についた50年代を浮き彫りにする。
内容説明
平和の回復と家庭賛美の風潮のもと、女たちは自らの立場を疑いはじめる。変革の胎動と新しい生き方への模索を示す作品群。
目次
第1章 「充実した生活」とは―バーバラ・ピム『よくできた女(ひと)』
第2章 差別の行き着く果てはどこに―ドリス・レッシング『草は歌っている』
第3章 愛は可能か?―ロザモンド・レイマン『こだまする茂み』
第4章 宛名のない手紙―エリザベス・ボウエン『愛の世界』
第5章 サフラジスト(婦人参政権論者)の問いかけ―レベッカ・ウェスト『泉は溢れて』
第6章 家庭という舞台、そのなかの反逆―アイヴィ・コンプトン=バーネット『ヴィクトリアンの召使いたち』
第7章 旅は白いラクダに乗って―ローズ・マコーレ『トレビゾンの塔』
第8章 私が死ぬということ―ミュリエル・スパーク『死を忘れるな』
第9章 新たな時代を待つ「眠り姫」―エリザベス・テイラー『エンジェル』
第10章 「目覚め」の寓話―アイリス・マードック『鐘』
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