劇を隠す―岩松了論

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326851904
  • NDC分類 912.6
  • Cコード C1074

出版社内容情報

岸田戯曲賞受賞作に先だつこと2年、事件は静かに起こっていた。『お茶と説教』の初演である。劇作家・岩松了が劇を隠した。観客を置き去りにすることによってこそ成立しえた喜劇。それを一人の観客が見抜いた。『初日通信』連載の貴重な論評に手を加え、『市ヶ尾の坂』など語るべき作品群を通して「劇的なものの顕現と受容」を解く。

内容説明

観客を笑わせまいとする喜劇「お茶と説教」から、フロイトとラカンをくぐり抜けた無意識劇「市ヶ尾の坂」へ。現代演劇の鬼才・岩松了の隠蔽の詩学を読み解く。

目次

反ドラマティック・アイロニーのほうへ
嘘と秘密
謎とき「市ヶ尾の坂」
グラスが揺れるとき
ありふれた微細への偏執

著者等紹介

長井和博[ナガイカズヒロ]
1954年、東京生まれ。東京大学文学部卒。演劇評論家。元『芸術新潮』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワニニ

47
論じられている岩松了の芝居が、観たくて観たくて仕方ない。でも、同じ芝居はもう観られないからね。当時観ていた「市ヶ尾の坂」だって、あんなことは思えなかったし、「アイスクリームマン」に至っては、観たことすら忘れていた。フロイトからラカン?!まさに反ドラマティックアイロニー状態だった私?深い。2015/10/06

ワニニ

43
“謎とき「市ヶ尾の坂」”のみ再読。今回の観劇(2018/5/20)は、この確認という側面もあったが、そうすると違和感も生まれる、再演はまた別物という感。カオルじゃなく麻生久美子ありき?“母”というより“人妻”“女”な雰囲気。なんでも「昔は良かった」と括るわけではないけれど、初演が味わい深かっただけに…色々奇異な感じもした。三浦貴大とかの今っぽさをもっと出したら、どうなったのかな?今回の再演は意義があり、それなりに面白かったけれど。そして、しもきたも観客もずいぶん変わった。2018/05/20

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