出版社内容情報
ポピュラー芸術にデューイetc.のプラグマティズムの立場からアプローチして(ラップの分析など)、高級芸術のもつ美学的規準がポピュラー芸術にもあることを指摘、●一方で実践的な関心から切離された純粋な高級芸術にも社会的・政治的批判機能があると認めることによって、●高級/ポピュラー、本物/偽物、純粋/不純という区分の無意味さを示す。●又、この区分を可能にしてきた「鏡」としての静的で現状追認型の美学理論の役割を退け、「美的経験」の概念をテコに、「美的なもの」「芸術」を生の全体へと拡張していく。
内容説明
シェイクスピアもオペラも当初はポピュラーだった。ラップの分析etc.を通し、高級/ポピュラー、本物/偽物、純粋/不純の区分を退け、アートを経験と捉えて生の全体へと拡張する。
目次
1 芸術と理論、経験と実践のあいだ
2 美学イデオロギー、美的教育、批評における芸術の価値
3 フォルムとファンク―ポピュラー芸術の美的挑戦
4 ラップの芸術
5 ポストモダンの倫理学と生の技術