出版社内容情報
◆90年代以降の「イメージなき戦争」(ボードリヤール)が繰り広げられる世界に対して、映画がいかなる力をもちうるかを問う。
内容説明
本号の特集のタイトル、「映画」を挾んで左右に置かれた「戦争」と「オーディオヴィジュアル」は、まさに私たちの生活している現実世界の「現在」を指し示すにふさわしい言葉である。「映画」は、結果的に現実の反映として「オーディオヴィジュアル」な環境を増幅させてしまうか、今ここにある具体的な何かを見つめる視線を獲得するか、どちらかに着地することになるだろう。後者の映画がそのために駆使する技術や思考、体力や気力を総合して、映画の創造力と呼べるものだ。
目次
Journal des Cahiers du cin´ema(ダイアローグに導かれて―パスカル・ボニゼール・インタヴュー;サム・ショウを追悼する;パゾリーニ映画祭報告 ほか)
戦争、映画、オーディオヴィジュアル(映画とは何か―セルジュ・ダネーによる「湾岸戦争」;破壊許可証;キューブリックの作品はいかなる意味で〈戦争映画〉なのか ほか)
Cahiers critiques(北野武『菊次郎の夏』;ラリー・クラーク『アナザー・デイ・イン・パラダイス』;トム・ティクヴァ『ラン・ローラ・ラン』 ほか)