出版社内容情報
◆「カイエ・デュ・シネマ」はヌーヴェルヴァーグの母胎になった雑誌だ。ゴタールもトリュフォーもこの雑誌の批評家を経て映画作家になった。1959年「勝手にしやがれ」「大人は判ってくれない」が世に出て40年。ヌーヴェルヴァーグは映画をどのように変革し、現在の映画はそこから何を継承しているのか。そして日本にはその精神がどのように伝えられたのか。◆イスラエルの映画作家アモス・ギタイの作品の方法論とロングインタヴューを掲載。◆ティエリー・ジュス「ノエルの一日」にみる作家の音楽への向かい方。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
swshght
6
NV特集。見どころはS・ダネー、C・テッソン、J・ランシエールらの論考だろう。私はここで梅本洋一の文章を紹介したい。彼はまずS・ダネーの文章を引用する。「ヌーヴェルヴァーグの映画作家たちは、少なくとも世界はフィルムに撮られるに値するという感覚を持っていた」。そして次のように述べる。「『世界はフィルムに撮られるに値する』という直感こそ、映画が映画であるための最低の条件ではないのか。ヌーヴェルヴァーグの初期作品が今でも持ち得ている『瑞々しさ』や『生々しさ』の原点には、その直感と信念が確固として存在している」。2013/07/18