出版社内容情報
アートをベースにするとはいかなることか。最新の研究動向をとらえ、美術研究者・芸術家がアートベース・リサーチを多角的に分析。
アートベース・リサーチ(ABR)をめぐる状況は、ここ数年で大きく展開している。ABRは従来の人文社会科学の研究にアートを入れることで、言語的な記述や客観的な分析だけでは捉えきれない、人間の感情や身体的感覚に迫っていく。また、アート活動そのものが研究でもある。アートベース・リサーチの現在地がわかる一冊。
内容説明
アーティスト・美術研究/教育者らが、アート実践と研究を重ね合わせて考察を深める。客観的な分析だけでは捉えきれない、人間の感情や身体的感覚に迫るアートベース・リサーチ(Arts‐Based Research:ABR)の現在地がわかる一冊。
目次
第1部 ABRの理論的展開(ABRの背景と現状;アート研究としてのABR;ABRの社会的可能性)
第2部 ABRの実践―制作者の思考と探究(絵画制作というトートロジー―小川洋子『ことり』から制作の思考をたどる;星屑に星座を与える―ファウンド・フォト作品の制作実践;西郷隆盛像を作れなかった塑造家・藤田文蔵―近代日本彫刻の裏面史を紡ぐ;文字によるアートの旅―タイポグラフィとの距離から)
第3部 芸術的知性による教育の可能性(R・アルンハイムから紐解く「目で考える」ということ;美術と美術教育の分断を越えるために―ポーランドの美術教育を手がかりに;“驚くべき出来事”に見るパラダイム転換と芸術的知性―アーティストワークショップのエピソードから)
著者等紹介
小松佳代子[コマツカヨコ]
1965年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学、博士(教育学)。現在、長岡造形大学大学院造形研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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