出版社内容情報
老いたダンサーは引退すべき? 若い身体=美? 強さや効率性を至上命題としない新しい主体を、老いと踊りの問題を通して探る。
内容説明
誰もが避けられない「老い」。年齢を重ねたダンサーを起用したピナ・バウシュやジャドソン教会派、100歳を超えても踊り続けた大野一雄、老いを成熟とみなす能や踊りの分析をとおし、長時間労働と規律化が可能であるがゆえに近代で理想とされた「若い」身体の価値を再考、脱主体、脱近代を孕む身体の可能性を探る。
目次
老いのパフォーマティヴィティ―老いる踊り手、老いない踊り
第1部 踊りの遺産(制作と稽古と継承のはざま―ピナ・バウシュの“春の祭典”が遺したもの;老いと舞踊の哲学―絶対的他者としての老者の舞;ダンスにおける痛みの身体;コンテンポラリーダンス、長寿、人生の意味)
第2部 伝統での老いとポスト・ジェネレーション(上演の考古学―メレディス・モンクの“少女教育再訪”とレノーラ・シャンペーン作、出演によるソロ・パフォーマンス作品“メモリーの物置”;論説と鼎談―日本舞踊と老い;日本における「老い」と「踊り」)
第3部 グローバル化する老いのダンスドラマトゥルギー(老女と少女の物語;日本の神話と儀礼における翁童身体と舞踊;老いを巡るダンスドラマトゥルギー―ライムント・ホーゲの終わりなき“An Evening with Judy”;大野慶人のレクチャー・パフォーマンス“命の炎”について―「老い」と舞踏はどこで出会う?)
番外編(旅立ちの日のための「音楽」(ダンスも含む))
著者等紹介
中島那奈子[ナカジマナナコ]
ダンス研究者、ドラマトゥルク、日本舞踊師範。ドラマトゥルクとして国内外の実験的舞台作品に関わり、2017年北米ドラマトゥルク協会エリオットヘイズ賞特別賞受賞
外山紀久子[トヤマキクコ]
1957年生まれ。埼玉大学大学院人文社会科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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