出版社内容情報
明治維新後、特権階級たる華族の一部は動物学に没頭しつつ、議員職にも就いていた。彼らの議会発言を通して理念や問題意識をたどる。
“鳥の公爵”鷹司信輔、蜂須賀線の蜂須賀正氏侯爵、博物館建設の父・田中芳男男爵らを筆頭に、華族たちは趣味的といわれる動物学を発展させていった。同時に彼らは帝国議会議員であり、本議会等の議事録に貴重な肉声資料が残る。これまで見過ごされがちだった議会発言に着目し、知られざる「華族動物学者」たちの実態を明らかにする。
内容説明
動物学を発展させた、“鳥の公爵”こと鷹司信輔、蜂須賀線の蜂須賀正氏侯爵、博物館建設の父・田中芳男男爵ら、近代の華族たちは帝国議会で何をなしたのか?議事録に残る貴重な肉声資料をたどり、知られざる「華族動物学者」の実態を明らかにする!
目次
序章 華族と華族動物学者たち
第1章 「蟲好きでは錚々たるもの」といわれた有力政治家―三島弥太郎
第2章 帝国議会に籍を置くのが遅すぎた鳥類学者―黒田長禮
第3章 “典型的な”鳥類学者議員―蜂須賀正氏
第4章 マングース導入に警鐘を鳴らした先見の明―中川久知
第5章 人柄を買われた“鳥の公爵”―鷹司信輔
第6章 国立自然史博物館建設を訴えた博物学者―高千穂宣麿
第7章 元虫捕御用の近代―田中芳男
第8章 志半ばに斃れた蝶類学者―仁禮景雄
第9章 昆虫翁の議会対策―名和靖
終章 総括―華族動物学者たちの評価
著者等紹介
保科英人[ホシナヒデト]
昭和47(1972)年神戸市生まれ。平成12(2000)年九州大学大学院農学研究科博士課程修了、博士(農学)。現在、福井大学教育学部教授、日本甲虫学会和文誌編集委員長、福井県環境審議会野生生物部会長、環境省希少野生動植物種保存推進員。専門は文化昆虫学、科学史、土壌性甲虫分類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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