• ポイントキャンペーン

ちょっと気になる社会保障

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 214p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784326700899
  • NDC分類 364
  • Cコード C3036

出版社内容情報

改革を迫られる社会保障制度の現状をどのように把握し、未来をどのように設計すべきか。正しくデータを把握し論理的に考えるために。若者は高齢者に搾取されている? 賦課方式から積立方式への抜本改革が必要? 制度解説に終始したり、いたずらに世代間対立をあおる社会保障論議に意味はない。社会保障制度とは、そもそもどんな論理で設計されていて、状況にあわせ今後どのように変えていくべきか。「社会保障というシステム」の根本からわかりやすく学び、教えるための入門書。

はじめに──社会保障なんか信用ならん!?

第1章 少子高齢化と社会保障
 就業者1人当たり人口の安定性と努力目標

第2章 社会保障は何のため?
 分配面における貢献原則の必要原則への修正
 将来の生産物への請求権を与える年金
 Output is centralという考え方

第3章 社会保障は誰のため?
 係数感覚に欠ける善良な市民
 生活保護と社会保険
 為政者の保身と社会保障政策
 救貧機能と防貧機能

第4章 社会保険と税
 税による貧困救済の扶助原理
 社会保険誕生の意味
 公的年金保険と生活保護
 税と社会保険の財源調達力
 トレード・オフの関係にある制度の「普遍性」と「安定性」の価値

第5章 社会保険と民間保険
 リスクと不確実性
 制度設計における公平性への配慮

第6章 保険のリスク・ヘッジ機能
 年金は保険であることを忘れさせた原因

第7章 長生きリスクとは

第8章 年金が実質価値を保障しようとしていることを説明することの難しさ
 社会経済の不確実性

第9章 結局,民間保険,社会保険,税の違いとは
 抑制と効率化の違い

第10章 社会保障がはたす3つの機能
 生活安定・向上機能
 所得再分配機能
 経済安定化機能
 社会保障制度の持続可能性と社会保障の機能強化との間の政治変動

第11章 建設的な社会保障論議を阻んできた悪気のないストーリー
 心優しい人たちを惑わせた図──社会保障給付費の経費別割合の見方
 論者に政府を憎ませる根暗な考え方
 歴史を知り,制度を知るということ

第12章 もちろん留意すべき世代間の問題

第13章 社会保障規模の国際比較と財政
 将来の話は名目値では論じてはいけないという話

第14章 今進められている社会保障の改革とは?
 子育て支援策
 医療介護の一体改革
 年金改革

おわりに

知識補給
 100年安心バカ
 世銀と年金とワシントン・コンセンサス
 日本の年金を世界がうらやましがっている理由
 生活保護とブースターとしての年金
 日本の年金の負担と給付の構造
 投票者の合理的無知と資本主義的民主主義
 保険としての年金の賢い活用法
 保険方式と税方式─最低額が保障されない民主党最低保障年金?
 社会全体で助け支え合うということ
 高齢者の貧困救済と,いわゆる世代間格差との選択
 社会保障に関するふたつの国民会議とは?
 公的年金の財政検証,そして平成26年財政検証の意味
 バカ発見器?のひとつ─スプレッドへの理解

図表一覧
著者文献表
事項索引
人名索引

権丈 善一[ケンジョウ ヨシカズ]
著・文・その他

内容説明

「社会保障というシステム」の根本からわかりやすく学び、教えるための入門書。社会保障制度の現状をどのように把握し、未来をどのように設計すべきか。正しくデータを把握し、論理的に考えるために。

目次

少子高齢化と社会保障
社会保障は何のため?
社会保障は誰のため?
社会保険と税
社会保険と民間保険
保険のリスク・ヘッジ機能
長生きリスクとは
年金が実質価値を保障しようとしていることを説明することの難しさ
結局、民間保険、社会保険、税の違いとは
社会保障がはたす3つの機能
建設的な社会保障論議を阻んできた悪気のないストーリー
もちろん留意すべき世代間の問題
社会保障規模の国際比較と財政
今進められる社会保障の改革とは?

著者等紹介

権丈善一[ケンジョウヨシカズ]
慶應義塾大学商学部教授、博士(商学)。1962年福岡県生まれ。1985年慶應義塾大学商学部卒業、1990年同大学院商学研究科博士課程修了。嘉悦女子短期大学専任講師、慶應義塾大学商学部助手、同助教授を経て、2002年より現職。この間、2005年ケンブリッジ大学ダウニグカレッジ訪問研究員、1996年~1998年ケンブリッジ大学経済学部訪問研究員。公務では、社会保障審議会、社会保障国民会議、社会保障制度改革国民会議、社会保障制度改革推進会議の委員や社会保障の教育推進に関する検討会の座長など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

32
制度、歴史が大事だ。賦課方式でしか年金は目的達成できぬ(ⅻ頁)。字が大きめで平易に書こうとしているのがわかる。著者の良心。公的年金は国民全員で親世代に仕送りする国民仕送りクラブのようなもの(17頁)。巻末には、詳細な用語など概念の解説がある。2016/05/07

よしどん

4
はじめ取っ付きにくくてなかなか理解できない。毎日20ページずつみたいな感じで読むことに。朝の頭がスッキリとしている時間帯に読むと少しずつ頭に入ってきた。これまでにいくつか読んでいた著者と同様の主張をされる本でわかりにくかったことが詳細に説明されていてすこしわかったような気になった。何度か読むとそのうち。。。第3版で新しくなった部分も読んでみたいと思う。2022/11/17

脳疣沼

4
とても良い本を読んだ気がした。年金について、巷に出てる"面白そうな"(つまり刺激的なタイトルの)本を読むと、年金は破綻寸前で積立方式が最高であり、国民は政府(乃至、御用学者)に騙されているという話が書かれており、ついそれを信じてしまうのだが、本書を読むとやはりそんな単純な話ではないことがよく分かる。また、なぜか社会保障関係の話において、そっちの味方であるはずの民主党が悪く言われることが多々あり不思議だったのだが、本書を読むと民主党がいかに議論を滅茶苦茶にしたのか分かり、なるほどなと思った。2016/03/29

ゆきまさくん

3
慶応義塾大学・権丈善一先生による解説書。現在は改訂3版が出版されているが、それもこの初版が好評だったことによる。社会保障は何のため、誰のためにあるのか。特に年金制度の賦課方式、積立方式、保険料方式、税方式の差異がわかりやすい。世代間扶養、世代間格差で言われる誤認を説く。 「知識補給」を充実させた最新版もやはり読んでみようかな。2020/06/14

のら

3
名著。今後、社会保障論の入門書のスタンダードになってほしいし、そうならなければならない本。決して簡単な内容ではありませんが、精読すればちゃんと理解できます。この本1冊で、世間に流布する多くの誤った社会保障論に反論できるだけの知識・考え方が得られます。世間的にはあまり有名な著者ではないため、多くの方に読まれるような本ではないのでしょうが、一人でも多くの方の目に留まればと願わずにはいられません(陳腐な表現ですが)。素晴らしい本、激推しです。2016/03/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10124656
  • ご注意事項