出版社内容情報
経済的、社会的メリットになる限りでの平等? そんな条件つきの平等はいらない。差異をもちつつ同類で平等だと認めていくために。
フランス共和国の標語「自由・平等・友愛」は、実は「兄弟=白人男性」たちが「兄弟ではない者=非男性、人種化された者」たちへの差別を再生産する構造を隠しもつ「神話」でしかない。特異性(差異)が差別を正当化する方法を見つけ、構造を変えることで、特異性のただなかで特異性を表明しつつ、皆が同類で条件なしに平等であるあり方を探る。
内容説明
フランス共和国の標語「自由・平等・友愛」は、実は「兄弟=白人男性」たちが「兄弟ではない者=非男性、人種化された者」たちへの差別を再生産する構造を隠しもつ「神話」でしかない。特異性(差異)が差別を正当化する方法を見つけ、構造を変えることで、特異性のただなかで特異性を表明しつつ、皆が同類で平等であるあり方を探る。
目次
序論 同類だと想像する勇気をもつこと
第1章 平等対フラテルニテ(フラテルニテ―平等な共和国という物語の中心で見えていないもの;連帯に対抗するフラテルニテ;非・混在の空間―どこが恥知らずなのか?)
第2章 平等対自由(#MeTooと#BalanceTonPorc―被害を受けた「私」が、連帯する「私たち」/「あなたたち」になるとき;私たちに自由を押しつけないで、平等があれば自由になれるから;アーティストの不平等な自由と責任―メネル・イブティセム対オレルサン)
第3章 平等対平等神話(他者性のフェミニズム―近代性の陰に隠された撞着語法;「フランス流の」平等は神話にすぎない;フラテルニテから、そして市場から解放された平等のために)
結論 遊牧的空間における条件なき平等に向けて
著者等紹介
セナック,レジャーヌ[セナック,レジャーヌ] [S´enac,R´ejane]
フランス国立科学研究センターCNRS・パリ政治学院政治学研究センターCevipof研究主任。パリ政治学院ジェンダー研究・教育プログラムPRESAGEの運営委員として、教鞭もとる。2013年から2019年まで女男平等高等評議会HCEfhのパリテ部門代表
井上たか子[イノウエタカコ]
獨協大学名誉教授。訳書・編著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。