内容説明
その挑戦に対し上野千鶴子はいかに応答するのか。師と弟子たちの白熱したやり取りを通して、上野社会学の全貌がいま明らかになる。
目次
第1部 ジェンダー・家族・セクシュアリティ(「対」の思想をめぐって;主婦論争の誕生と終焉―なお継承される問い;男性学の担い手はだれか;「二流の国民」と「かわいい」という規範)
第2部 文化の社会学(表現行為とパフォーマティヴィティ;消費社会論からの退却とは何だったか;異形のことば―バイリンガリズム/マルチリンガリズムとジェンダー)
第3部 ポストコロニアル・マイノリティ(対抗暴力批判の来歴;日本のポストコロニアル批判―ジェンダーの視点から見た沖縄;「慰安婦」問題の意味づけをとおしてみる上野千鶴子の「記憶」問題)
第4部 当事者主権(「選択」としての「おひとりさま」言説の功罪;ポスト「家族の世紀」の「おひとりさま」論;「女縁」と生協の女性、そして地域福祉;「ニーズ」と「わたしたち」の間;社会学は当事者に何ができるか)
著者等紹介
千田有紀[センダユキ]
1968年生まれ。2000年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、武蔵大学社会学部教授/博士(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒデミン@もも
17
ゆっくり読めなかったから、また借りたい。2014/02/19
kiho
10
上野さんに学んだ研究者たちが、それぞれの視点から、上野社会学を分析…それに対する上野さんの返答も含め、今の社会をみるのに興味深いやりとりだった☆これからの社会がどうなるか…「おひとり様」一つとっても色んな捉え方があるんだと実感!2014/10/27
カレーリーフ
5
誤植がひどすぎるw 。上野本の初刷りは、とくに書誌データがいつも「とっても」あやうい。上野氏は、自分の本についてもあやうい。割とこれジョーシキ。 例)266頁の、2005 岩波書店 ポストコロニアリズムの訳者は「当然」本橋哲也氏。なのに高橋哲也、になってる。しかも高橋氏の名は「哲哉」が○だし。まあ、このページは、弟子の島袋まりあ氏の文献頁だけどさ。つーか、著者も編者も編集者も上野氏も校正者も読んでないというわけだ。ひどすぎる。(えーと。本の中身は良いのですよ、いつも。これもほんと。)2012/12/04
メルセ・ひすい
2
15-27 高齢出産?熟考っ女性生理の確執…社会にとってジェンダー女性は確かに能力はもしかすると男性以上かもしれないが…高齢結婚高齢出産はヒトにとっていかがなものか、生物学的に生理学的に能力の高い子を出産できないのか?理想は16歳から20歳程度で出産し、子育てしながら勉学する。子の義務教育が済んだ頃再び社会に大学教育?上野研究室で学んできた研究者たちが、これまでの業績を踏まえた上で、新たなる視点や問題点を提起し、上野千鶴子に挑む。師と弟子たちの白熱したやり取りを通して、上野社会学の全貌が今明らかになる。 2011/06/23
たろーたん
1
バトラーによって、ジェンダーは「ふたつの項」をあらわす用語ではなく、一つの実践、非対称的な差異化という行為を示す権力の用語となった。ジェンダー研究の対象は、男女の項ではなく、男女の項を作り出すジェンダー・システムであり、そのシステムを構成する要素は、ジェンダー実践の集合ということになる。それゆえ、ジェンダー体制の研究において、非当事者はいない。全員が行為者となり、一見中立的な実践も含めて、全てがジェンダー実践となる。ジェンダーとは非対称性を産む権力のカテゴリーである。(続)2024/10/21