出版社内容情報
不毛な若者バッシングが続いた10年、今あらためて若者の現在を実証的に検討する。否定面も肯定面も合わせて若者の変貌を捉える試み。
日本社会が構造的な大変動をこうむったこの10年間、若者たちはどのように変化したのか。友人関係、音楽生活、メディア利用、自己意識、社会意識に焦点をあて、社会学的な手法で若者の変化を分析する。人間関係の希薄化、未熟化、道徳意識の低下等々、若者をめぐるさまざまな通説は、はたして妥当なのか。また彼らに肯定的な可能性を見出すとしたらそれは何なのか。
関連書:自己への物語論的接近(小社刊)
第一章 若者論の失われた十年……浅野 智彦
1 若者論の変容
2 批判的な視線にさらされる若者たち
3 青少年研究会調査について
4 十年間の変化の概略
コラム 検定・ソマーズのD
第二章 若者の音楽生活の現在……南田 勝也
1 音楽をめぐる状況
2 データから見えること
3 音楽への関わりの強弱
4 まとめに代えて
コラム 相関係数について
第三章 メディアと若者の今日的つきあい方……二方 龍紀
1 メディアと若者
2 メディア利用の実状
3 メディアの利用行動から見えるもの
4 まとめ──メディアの渦の中で模索する若者
コラム カイ二乗検定
第四章 若者の友人関係はどうなっているのか……福重 清
1 あるオフ会の光景
2 1990年代以降の若者の友人関係をめぐる議論
3 調査データから見る今日の若者の友人関係
4 「友人」概念の拡大の背景──「親しさ」をめぐる意識の変容
5 今日の若者の友人関係と親密性のゆくえ
コラム グループ間で平均値を比較する──t検定(平均値の差の検定)とF検定(分散分析)
第五章 若者のアイデンティティはどう変わったか……岩田 考
1 自分らしさを求める社会
2 アイデンティティは衰弱しているのか?
3 多元性による自己意識類型
4 多元的自己は問題か
5 アイデンティティというリスク
コラム 因子分析
第六章 若者の道徳意識は衰退したのか……浜島 幸司
1 若者に対する社会の見方
2 若者には道徳・規範意識はあるのか?
3 道徳・規範意識のグループ分けとその属性構成
4 道徳・規範意識の高いグループにみられる特徴
5 道徳・規範意識と関係が「ない」ことがわかった項目
6 若者は今の道徳・規範を十分理解しているにもかかわらず……
コラム 信頼性係数(クロンバックのα)について
第七章 若者の現在……浅野 智彦
1 変わらないもの、変わるもの
2 友人関係──多チャンネル化・状況志向・繊細さ
3 自己──自分らしさ志向・多元化・開かれた自己準拠
4 終わりに
索引
内容説明
現在の若者たたきは果たして妥当なものなのか?友人関係・音楽生活・メディア利用・自己意識・社会意識に焦点を当て、若者の肯定的な可能性を見出す。
目次
第1章 若者論の失われた十年
第2章 若者の音楽生活の現在
第3章 メディアと若者の今日的つきあい方
第4章 若者の友人関係はどうなっているのか
第5章 若者のアイデンティティはどう変わったか
第6章 若者の道徳意識は衰退したのか
第7章 若者の現在
著者等紹介
浅野智彦[アサノトモヒコ]
1964年生まれ/東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京学芸大学教育学部社会学教員。専門領域は自己物語論、若者文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろとん
たぬき
昌也
-
- 和書
- 死はこわくない 文春文庫
-
- 和書
- ドイツ語の世界 読本編