ピルはなぜ歓迎されないのか

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  • サイズ B6判/ページ数 236,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326653102
  • NDC分類 495.48
  • Cコード C0036

出版社内容情報

アンチピルの傾向はなぜ生じたのか。行政、医学界、家族計画運動、女性運動に焦点をあて、生殖をめぐるポリティクスを歴史的に読みとく。

日本でピルが認可されたのは主要先進国に約30年遅れて1999年。ピル規制の背景については、産婦人科医の利益を守るとか、政府が少子化の進行を懸念したという憶測も強い。本書はこうした俗説を斥け、人々の身体観・生殖観・ジェンダー観が反映されたものと見て、その複雑なからみあいを明らかにする。


第一章 ピルはなぜ認められてこなかったのか
1 問題の所在
2 ピル規制をめぐる研究史
3 研究の視点と仮説

第二章 ピルをめぐる歴史
1 1950年代後半から1960年代
2 1970年代から1980年代前半
3 1980年代後半から1990年代

第三章 産婦人科医と家族計画関係者
1 優生保護法の成立・改正と家族計画運動
2 家族計画関係者の収入獲得状況とピル認可に対する牽制
3 産婦人科医の人工中絶による利益とピル

第四章 「家族計画」運動をめぐるイデオロギーとピル
1 家族計画関係者のピル認可中止要求
2 家族計画関係者のピル推進への転換

第五章 ピルをめぐるジェンダー・ポリティクス
1 ピルは女を解放するか
2 ピルは<自然>に反するか

終章 アンチ・ピルの背景


あとがき
参考文献
索引

内容説明

なぜピルはこれほど長く日本で認可されなかったのだろうか。そして、なぜ日本では依然としてピルに対する需要が拡大しないのか。本書は、日本の行政や一般国民にみられるいわば「アンチ・ピル」とでも呼びうる傾向の背景を、歴史的、かつ多面的な視点から読みとく試みである。

目次

第1章 ピルはなぜ認められてこなかったのか
第2章 ピルをめぐる歴史
第3章 産婦人科医と家族計画関係者―ピルをめぐる利益構造
第4章 「家族計画」運動をめぐるイデオロギーとピル
第5章 ピルをめぐるジェンダー・ポリティクス
終章 アンチ・ピルの背景

著者等紹介

松本彩子[マツモトアヤコ]
1981年東京都に生まれる。2003年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。2005年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科発達社会科学専攻、開発・ジェンダー論コース修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Humbaba

3
ピルは日本ではなかなか認可されなかった。薬の認可には安全面の問題もあるので時間がかかるのは仕方ない面もあるが、他の薬と比べても時間がかかるとすれば、それは背後にある関係を疑わざるをえない。最終的には外圧によってにんかされたというのは、残念な話である。2014/10/23

みなみ

1
著者の松本は、ティアナ・ノーグレンや荻野美穂が自著で主張している、「ピルが導入反対の目に遭ったのは、中絶で利益を得ている医師達の反対があったから」という考え方に疑問を示している。ピルがなぜ日本で普及しないのか(しなかったのか)、研究者達の間で挙げられている通説を含め、分析した一冊。 卒論の参考文献に使用、売却。

yujia

0
レポート用に2021/07/28

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