出版社内容情報
いじめによる自殺をなかったことにしようとする学校。不正な行為を認めようとしない企業や行政。日本の組織はある共通の特質をもっている。そのなかで人々は、周りの人と足並みを揃えて行動することを優先し、何も問題はないのだと互いにみなしあうようにふるまうのだ。こうした「協調」に基づく人間関係は、集団を重視する「日本」人に特有のものだと説明されることが多い。事件がおこるたびに叫ばれる個の確立。が、もう考え直してもよいときだ。人と違うふるまいを回避させる「日本的」組織の成立条件を、小学校教員を素材に人々の社会的移動・帰
内容説明
いじめ自殺をなかったことにしようとする学校。不正な行為を認めようとしない企業。事実隠しに奔走する行政…横並びを強いる「日本的」組織の成立条件を帰属と移動のメカニズムの観点から解き明かす。
目次
第1章 学校:その奇妙な論理
第2章 「協調」はいかにして生まれるか―方法の提案
第3章 教員組織の誕生―組織形成に関する史的分析
第4章 帰属の長期化と帰属先の変容―より大きな単位への帰属
第5章 長期帰属の質的変化―資格という基準の浸透
第6章 教員組織における長期帰属者の位置―組織内階層の形成
第7章 教員たちの「近代的」人間関係
第8章 教員組織論から日本社会論へ
第9章 日本にはどのような近代的組織が生まれたか
著者等紹介
中村牧子[ナカムラマキコ]
1962年東京都に生まれる。1993年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学、社会学博士
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