出版社内容情報
本書は、「世界の儚さ」という主題を、シュッツからルーマンヘとつらなる緩やかな軌跡の中に辿ろうとする試みである。まずシュッツについて、その仕事が現代社会理論の展開においてもつ意義をとりあげる。次に、ルーマンの議論の核心にある<できごと>という概念をめぐって、時間、世界、観察、他者という四つのテーマに即して論じていく。その意味で本書は、ルーマン理論における<できごと>とは何かという問いに答えようとするものでもある。ラディカル構成主義という認識論的立場を、自己指示的システム理論という学の成立をかけて表現しようと
【目次】
はじめに
序章 世界の儚さという主題―シュッツからルーマンへ
Ⅰ
第1章 出発点としてのシュッツ
1 現象学的社会学
2 社会科学における「ガリレイ論」
3 <私>―体験と意味
4 まなざしの交錯
5 他者を理解するということ
第2章 転換点としてのシュッツ
1 隠されていた問題
2 自然的態度の構成的現象学
3 <内世界的レベル>への内属
4 <私>の立場の徹底
5 転換点としてのシュッツ
Ⅱ
第3章 不可逆性のメタファー
1 理論のはじまるところ
2 ハイデガーの時間論―Ereignisとは何か
3 二つの現在―時間生成のメカニズム
第4章 世界と<できごと>
1 自己指示的システム理論
2 世界を経験するということ
3 <できごと>の影
第5章 観察と他者性
1 観察者=行為者
2 脱原パラドクスという営み
3 社会性を刻印された行為
第6章
1 現代社会理論における他者の問題
2 不透明な他者
3 愛の関係―<できごと>としての愛
あとがき
文献
索引
内容説明
本書は、「世界の儚さ」という主題を、シュッツからルーマンへとつらなる緩やかな軌跡の中に辿ろうとする試みである。まずシュッツについて、その仕事が現代社会理論の展開においてもつ意義を、「出発点」としてのシュッツ/「転換点」としてのシュッツという二つの視点からとりあげる。次に、ルーマンの議論の核心に置かれている「できごと」という概念をめぐって、それがもつさまざまなインプリケーションを、大きく「時間」、「世界」、「観察」、「他者」という四つのテーマに則して論じていく。
目次
序章 世界の儚さという主題―シュッツからルーマンへ
第1章 出発点としてのシュッツ
第2章 転換点としてのシュッツ
第3章 不可逆性のメタファー
第4章 世界と「できごと」
第5章 観察と他者性
第6章 他者の経験
著者等紹介
吉沢夏子[ヨシザワナツコ]
1955年東京生まれ。1983年慶応義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得修了。現在、日本女子大学人間社会学部教授
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