出版社内容情報
産業構造の転換と消費者の新しいライフスタイルの創造は表裏の関係にある。産業構造の方が、ソフト化、IT化、グローバル化等と活発に語られる割には、消費者の生活改革の全体像が見えてこない。これは一時バラ色に彩られた未来像が現下の不況によって頓挫したことによると思われる。それでも否応なく進む少子・高齢化の圧力による教育・年金を始めとする制度改革、環境意識の高まり、地価下落に伴う若い世代の都心回帰などに変化の予兆を垣間見ることができる。本書は、小著ながら、日本人の生活文化を歴史的に回顧し、制度改革の提言をも含む将来
【目次】
序章 消費と生活文化の接点―何故消費がのびないのか
1 失われた10年と消費者政策の欠如
2 ライフスタイル視点の重要性
3 生活文化の論理
第1章 21世紀世界と生活文化のアイデンティティ
1 20世紀末世界で揺らぐ国民国家
2 マイノリティ問題の正確な位置づけ
3 生活文化のアイデンティティと伝統力
4 21世紀パラダイムとしての生活文化のアイデンティティ
5 個人と世界のかかわり
6 現日本とルーツ探し
7 日本の生活文化の原点と変容
8 日本型生活文化のオリジナルとアイデンティティ
第2章 生活行動と消費の文化
1 一元化社会から多元化社会へ
2 欲求と充足動機の一元性と多元性
3 価値観の多元化と消費行動
4 マス社会における生活行動
5 ライフスタイルの転換が消費チャンスを創出
6 消費の付加価値と生活文化のアイデンティティ
第3章 ライフスタイルとファッション革命
1 生活文化とファッションの形成
2 ファッションの成立と機能
3 都市社会の発展とファッションの産業化
4 ファッション波及のメカニズム―「定比の原理」
5 情報化の中で多元化するファッション観
6 個性化の中でのファッション革命
7 国際化の中での異文化交錯
8 日本の「装い思想」と和服の可能性
9 ファッションとトラッドと
第4章 ソフト産業化と生活文化
1 高度経済成長から構造転換へ
2 情報化と経済のソフト化
3 個別ニーズに直結するマーケティング
4 消費の高度化と産業分類の視点
5 川上から川下への産業の一体化
6 産業の成立基盤としての消費者ニーズ
第5章 ヒトとしての時間・労働・余暇
1 ヒトとしての時間と生涯構想
2 労働観の社会的系譜
3 工業社会の成立と労働観
4 労働の人間的意味と自己疎外
5 疎外に対抗する余暇行動
6 脱工業社会への労働の変化と余暇の役割
7 自立的労働への志向と余暇の相互利用
8 ライフスタイル革命と生涯設計の一環として
9 民族・部族と労働・余暇観
第6章 日本人の宗教と宗教心
1 戦後日本の宗教風土
2 日本の宗教と信者の動向
3 メジャーリーグとしての神道と仏教
4 神仏混こうの歴史による日本型宗教の由来
5 新宗教と日本人
6 新宗教の問題点
7 宗教と「宗教心」をめぐって
第7章 都市こそ生活文化の基盤
1 都市の形成と生活文化
2 高度工業社会の都市問題
3 過疎からバブル崩壊への転換
4 脱工業社会の都市像
結章 いま、何故ライフスタイル革命か
内容説明
消費行動、ファッション、余暇、宗教など、日本人の生活文化は今大きな転機を迎えている。歴史を振り返り、未来を展望する。
目次
序章 消費と生活文化の接点―何故、消費がのびないのか
第1章 21世紀世界と生活文化のアイデンティティ
第2章 生活行動と消費の文化
第3章 ライフスタイルとファッション革命
第4章 ソフト産業化と生活文化
第5章 ヒトとしての時間・労働・余暇
第6章 日本人の宗教と宗教心
第7章 都市こそ生活文化の基盤
結章 いま、何故ライフスタイル革命か
著者等紹介
板東慧[バンドウサトシ]
1931年神戸市に生まれる。京都大学経済学部卒業経済学博士。現、大阪産業大学大学院経済学研究科長・教授。(兼)社団法人国際経済労働研究所会長。社団法人生活文化研究所代表理事。専攻は社会政策・国際経済政策
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