出版社内容情報
「私が私である」とはどういう事態なのだろうか。本書はこの問いに対して物語論の観点から、自分自身について語る物語(自己物語)を通して生み出される事態である、と答える。とりわけ、家族療法の分野で展開されてきた技法――すなわち自己物語を書き換えることによって自己のありかたを変えていく技法(物語療法)――を検討しながら、自己を社会関係に還元してきたこれまでの社会学的自己論の書き換えを試みる。また、その過程で、どの自己物語も実は語り残しを含み、それが自己変容のきっかけになることをあきらかにしている点が斬新である。
【目次】
第1章 「自己」への物語論的接近
1 自己と物語
2 「私」は自己物語を通して産み出される
3 自己物語と語りえないもの
4 これまでの社会学的自我論との対比
第2章 物語論の諸潮流
1 物語としての歴史―歴史哲学の視点
2 物語としての認識―心理学の視点
3 物語としてのイデオロギー―イデオロギー批判の視点
4 物語としての自己―臨床心理学の視点
5 物語の形態と機能
第3章 家族療法とその物語論的展開
1 家族療法の物語論的展開―システム論から物語論へ
2 物語療法の理論と技法
3 物語療法から社会学へ
4 物語療法の限界
第4章 社会学的自己論は物語療法のに何を学ぶか
1 社会学的自己論の二つの認識
2 関係論的アプローチの困難
3 物語療法の視点
4 社会学的自己論を書き換える
第5章 構成主義から物語論へ
1 物語論は構成主義である?
2 構成主義とは何か
3 構成主義のパラドクス
4 物語論とパラドクス
第5章への補論 ガーゲンの自己物語論
1 ソシアル・コンストラクショニズムの概観
2 自己物語論
3 自己物語論の拡張
あとがき
文献
索引
内容説明
「私」はいかにして生み出され、変容していくのか。物語療法をふまえながら、社会学的自己論の大胆な書き換えを図る。
目次
第1章 「自己」への物語論的接近
第2章 物語論の諸潮流
第3章 家族療法とその物語論的展開
第4章 社会学的自己論は物語療法に何を学ぶか
第5章 構成主義から物語論へ
第5章への補論 ガーゲンの自己物語論
著者等紹介
浅野智彦[アサノトモヒコ]
1964年仙台市に生まれる。1994年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京学芸大学教育学部教員
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