学校文化とジェンダー

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  • サイズ B6判/ページ数 255,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326652273
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C3036

出版社内容情報

学校は男女平等な場であると思われている。就職を機にはじめて性差別を自覚したと述べる女性も少なくない。しかし、学校は本当に平等だろうか。本書は、家庭科男女共修・男女混合名簿をはじめ、先生の働きかけや進路指導における性差などの「かくれたカリキュラム」をとりあげる。教室観察や進路希望・性別適正データ分析により、学校の中でいかに「女らしさ」が再生産され、また生徒たち自身が再生産しているかを明らかにする。また、「女らしさ」を後押しする少女小説などのメディアの考察を通して少女が女になるメカニズムも探る。

内容説明

平等幻想の影で作られる「女らしさ」。教室観察や進路希望のデータなどから見えてくる現実。男が主・女が従という「かくれたカリキュラム」の構造を解く。

目次

「ジェンダーと教育」研究の課題
1 学校のなかのジェンダー(ジェンダーの再生産と学校;学校文化における平等とセクシズムの葛藤―ジェンダーと階層;学校の中の「かくれたカリキュラム」;教室におけるジェンダーの形成;「教育と女性解放」の理論;女性解放をめざす教育―「女性」の多様性をみつめて)
2 少女が「女」になるメカニズム(少女小説と「女」への社会化;少女小説の方程式;自己と他者―少女マンガ、少女小説そして文学;なぜ女性は女性役割を受容するのか―その意識と現実;資本主義社会におけるセクシズム再生産の理論化に向けて)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

8
図書館にて。1999年刊行。あとがき〈実を言えば、矛盾・葛藤、主体、闘争などなどは、個人的に魅力を感じてしまう概念としてある。子どもの頃から無邪気にもいろんなことに憤慨し、世の中を変えたいと思っていた。基本的には楽天的で「がんばる」ことが好きな人間だったため、「かんばれば事態はよくなる」と考えたものだ。フェミニズムとの出会いを経験した時には、これが自分のライフワークだと思った。「歴史における個人の役割」という枠組みをナイーヴに信じたのもその頃である。矛盾の在りかをいち早くつかみ、[…]〉。2019/10/03

まあい

1
当時の欧米における先行研究のまとめとしては役に立つ。ただし木村自身の研究のパートには、分析方法などに疑問が多く、そもそも古い。たとえば「少女小説の分析」と称しつつ、実際には少女小説のうちの恋愛モノのみを分析していて、なのにそこから「少女小説は異性とのロマンスによる人間関係を通じて、少女の成長を描いている」と結論づけている。これは「少女小説の分析」としてかなり不十分と言わざるを得ない。大学生が批判的読書の訓練をするときに「教材」として使うのがいいだろう。批判すべき点が多い本である。2017/07/12

ころぼっくる

0
ミニ卒参考文献2014/11/10

ジュリアンヌ

0
フェミニズムに傾倒している学生が自分の主張を理論付けするためには役立つかもしれないが、そうでない方にはあまりおすすめしない。教育社会学は客観的なデータに基づく分析によって論を成り立たせる学問であるため、前提に対する論拠がきちんとしていないと「単なる被害妄想」と一蹴されても仕方ないように思える。また、本の中で引用されたアンケートが日教組の組合員向けである点でそこにバイアスがかかってることは否定出来ないと思う。全体を通して男性敵視の主観的な論調が目立つ点でもスマートさに欠ける。2011/11/25

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