数理社会学シリーズ
正義の論理―公共的価値の規範的社会理論

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  • サイズ A5判/ページ数 238p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326648702
  • NDC分類 361
  • Cコード C3336

出版社内容情報

社会は、共同性を志向する人々の公共的価値として存在している。さまざまな規範的理論を、普遍的に語る「公共社会学」の可能性。

本巻は応用編。<社会>についての規範的な構想を「正義」という理念のもとに表象する。すべての人に理解できるような普遍的な言語・論理によって社会学の知を公共的なものにする試み。

関連書:『数理社会学入門』、『ネットワーク・ダイナミクス』ほか(勁草書房刊)

序章 現代正義論の構図……盛山和夫
0.1 なぜ「正義」なのか
0.2 個人と個人を超えるもの
0.3 平等論
0.4 文化多元主義
0.5 「正義論」の課題

第1章 <自由>の論理──自由の社会学理論の構築へ向けて……土場学
1.1 はじめに
1.2 自由とは何か:What is freedom?
1.3 自由にはなぜ価値があるのか:Why is freedom valuable?
1.4 自由はいかにして可能か:How is freedom possible?
1.5 おわりに:ふたたび、自由とは何か

第2章 <効用>の論理──ハーサニ型効用総和主義の失敗……三谷武司
2.1 効用総和主義とは何か
2.2 フォン・ノイマン-モルゲンシュテルン効用関数
2.3 ハーサニ型効用総和主義の検討
2.4 結論

第3章 <平等>の論理──リベラリズムとの関係を軸にして……瀧川裕貴
3.1 厚生の平等と資源の平等
3.2 ドゥオーキンの資源平等論
3.3 センの潜在能力の平等論
3.4 結論

第4章 <公平>の論理──誰をどのように含めるのか……斎藤友里子
4.1 公平概念の曖昧さ
4.2 規範理論と公平概念
4.3 規範理論の構造
4.4 公平評価の経験理論
4.5 同一条件同一処遇としての公平:その形式的特性
4.6 「不公平」とされるもの

第5章 <自生的秩序>の論理──ゲーム理論と正義……石原英樹
5.1 はじめに
5.2 自生的秩序のさまざまな論理
5.3 相互扶助を語る自生的秩序──1990年代の進化ゲーム理論
5.4 権力を語る自生的秩序──チキン・ゲーム実験が示すもの

第6章 <民主的決定>の論理──判断モデルにもとづく認識的ポピュリズム…富山慶典
6.1 民主的決定ルールの正当化
6.2 ライカーのポピュリズム批判
6.3 ライカーの批判論にたいするポピュリストからの反論
6.4 ルソーの一般意志とコンドルセの陪審定理
6.5 認識的ポピュラリズムの可能性と限界

第7章 <自己決定/ケア>の論理──中絶の自由と公私の区分……山根純佳
7.1 自己決定と生命倫理
7.2 胎児の権利
7.3 「権利」と非介入の原則
7.4 「ケアの倫理」と中絶の決定
7.5 宗教的寛容論と中絶
7.6 道徳的能力と自己決定権

第8章 <福祉>の論理──何のための社会保障制度か……盛山和夫
8.1 包括的な社会保障としての「福祉」
8.2 マルクス主義と社会民主主義
8.3 財の平等主義
8.4 自由
8.5 助け合いと社会の品格

終章 正義・不正義・反正義──現代正義論と公共社会学の可能性……土場学

正義という憂鬱/「動物」と環境倫理/「母親」とケアの倫理/「子ども」と生命倫理/
「サバルタン」とポストコロニアリズムの倫理/正義と真理/正義は脱構築できるか/
公共社会学の可能性:正義に対する社会の優位

人名索引/事項索引
執筆者略歴 

内容説明

あまりに哲学的な社会理論でも、あまりに事例記述的な実証研究でもない、より魅力的な社会学を求めて。本巻は応用編。「社会」についての規範的な構想を「正義」という理念のもとに表象する。すべての人に理解できるような普遍的な言語・論理によって社会学の知を公共的なものにする試み。

目次

序章 現代正義論の構図
第1章 「自由」の論理―自由の社会学理論の構築へ向けて
第2章 「効用」の論理―ハーサニ型効用総和主義の失敗
第3章 「平等」の論理―リベラリズムとの関係を軸にして
第4章 「公平」の論理―誰をどのように含めるのか
第5章 「自生的秩序」の論理―ゲーム理論と正義
第6章 「民主的決定」の論理―判断モデルにもとづく認識的ポピュリズム
第7章 「自己決定/ケア」の論理―中絶の自由と公私の区分
第8章 「福祉」の論理―何のための社会保障制度か
終章 正義・不正義・反正義―現代正義論と公共社会学の可能性

著者等紹介

土場学[ドバガク]
1964年生まれ。東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授。専攻は理論社会学、数理社会学、公共性の社会学

盛山和夫[セイヤマカズオ]
1948年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻は社会階層論、数理社会学、理論社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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MrO

2
哲学的に語られがちな正義の論理を、公共的価値から分析した本。もちろん、正義とは何か、という定義は避けている。自制的秩序の形成なんかが、マクロなゲーム理論で語られたら面白いだろうと夢想する。このシリーズ全般に言えることだか、面白い糸口を示して、そっから先は自分で考えてごらんなさいとか、、こんな本を読んでごらんとなっている。夢想はさらに広がる。2019/03/19

あかべえ

0
結構お世話になった本。盛山先生が退官なされるということで再読。2012/02/13

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