出版社内容情報
老人・障害者・医療保護の３領域の調査資料２９点を収める。この三者は「無能力貧民」と言われ、児童・母子とならんで戦前の社会事業の主要な対象層であった。けれども、この対象層についての調査資料は多くはない。その点、今日の福祉サービスの状況と大きな相違が見られる。これらの調査資料から、老人・障害者などの生活状況の実態をうかがうことができる。
[収録資料] 養育院の老人収容者に就いて、保護老齢者の実情、失明者調査、傷病兵の生活現況、救療事業概要、診察機関及び診療調査、要保護世帯罹病状況調査、ほか
目次
解説 近代日本の無能力貧民問題と社会事業調査の展開―「老人・障害者・医療保護」について
資料解題
特論 栗生楽泉園特別病室調査とその背景
１ 老人（入園社概況；老廃者の職業生活調査；養育院の老人収容者に就て；東京市要保護世帯に於ける老衰者の調査；保護老齢者の実情―東京市養育院に於ける老齢者の調査）
２ 障害者（京都市に於ける特殊児童調失明者調査；工場鉱山ニ於ケル業務上ノ不具廃疾者の現状；精神薄弱児に関する調査；本県下ニ於ケル傷病兵ノ生活現況 ほか）
３ 医療保護（救療事業概要；診療期間及診療費調査；大阪市に於ける救療状況の一観察；昭和７年度時局匡救医療救護実施概況；東京市に於ける要医療救護者調査 ほか）
