出版社内容情報
誰しもが道に迷う現代社会。青少年研究会調査データから、新しい生き方を模索する若者文化にみる、再帰的な生の諸相を描き出す。
「曲がり角」に差し掛かる日本社会。若者文化には、新しい社会のありようやライフスタイルを、反省的にとらえるふるまいが先駆的に見られる。30年にわたる青少年研究会調査から、「偶発性」「関係性」「再帰性」をキーワードに、SNS利用、友人・恋愛関係、能力主義や自己意識など、若者の再帰的ライフスタイルの諸相を読みとく。
内容説明
「再帰性を磨け!」「偶発性」「関係性」「再帰性」をキーワードに、最新調査をふくむ過去30年の青少年研究会調査データを読み解く。当たり前を疑い、新しい生き方を反省的に考えていくための、「他人事」ではない、「自分事」としての若者論。
目次
なぜ他人事ではなく自分事の若者論なのか―「曲がり角」の時代の「再帰的ライフスタイル」
第一部 リフレクシブ・ライブズ1:偶発性とメディア文化(若者はSNSのまなざしの先に何を見ているのか―偶発性の中の再帰的ライフスタイル;若者はメディア化された親密性をどのように築いているのか―ソーシャルメディア・友人・恋愛;ショート動画で音楽を聴く若者はどう再帰的か―消費の液状化と美的再帰性をめぐって)
第二部 リフレクシブ・ライブズ2:関係性という居場所(友人関係の多元性・再帰性は若者の孤独感を高めるか―変わる関係性と変わらない規範;恋愛はリスクなのか―安心感を求める若者たち;「歴=年齢」の若者は自分が嫌いなのか―「非モテ」のジェンダー構造と社会的スティグマ;結婚で何が重視されているのか―配偶者に重視した点と夫婦関係満足度の検討から)
第三部 リフレクシブ・ライブズ3:再帰性と自己・社会(定職は大人の条件か―変わらないロスジェネ、承認を求める今の若者;努力主義の衰退は何をもたらすのか―「親ガチャ」の時代を生きる若者たち;若者たちは“不安”とどう向き合っているのか―“能力不安”が変える「私」と「社会」;「私」のあり方と「社会」への態度はどう関係しているのか―アイデンティティ資本と世代継承性の関係について)
第四部 リフレクシブ・ライブズ4:青少年研究会の30年(「失われた世代」はどのように失われたか―自己意識の世代間・世代内比較;大悲観の小楽観、若者たちは社会と時代をどう見てきたか―社会意識の変容と底流)
著者等紹介
辻泉[ツジイズミ]
1976年生まれ 現職:中央大学文学部教授、博士(社会学)。最終学歴:東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得満期退学
浅野智彦[アサノトモヒコ]
1964年生まれ 現職:東京学芸大学教育学部教員。最終学歴:東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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