出版社内容情報
明治期から昭和初期にかけ日本社会に「児童虐待」概念が立ち上がるまでの過程を大量の資料から分析。資料的価値高い1冊。
「貰い子殺し」等をきっかけに社会問題となった児童虐待は昭和8年、児童虐待防止法に結実する。しかしこの法が規制と保護の対象としたのは、軽業など街頭等で行われる子どもの労働であった。日本社会は児童虐待について何を問題にし、何を問題としてこなかったのか。問題構築過程を読み解くことを通じ、子どもの近代の一局面を描く。
内容説明
日本社会は児童虐待について何を問題にし、何を問題にしてこなかったのか。明治期から昭和初期にかけ、日本に「児童虐待」概念が立ち上がり浸透する過程を大量の資料から分析、子どもの近代の一局面を描く。
目次
序章 近代日本における児童虐待問題への視座
第1章 近代日本における児童虐待問題の萌芽―明治期における「児童虐待」の概念
第2章 児童虐待をめぐる新聞報道と専門家言説の相互作用
第3章 内務省社会局における児童保護法制定の取り組みと児童虐待防止の検討
第4章 児童虐待問題の転換―児童虐待事件を契機とした法制化議論の深化
第5章 岩の坂貰い子殺し事件の社会問題化と児童保護法制化議論の変容
第6章 児童虐待防止法案作成の分岐点―『兒童虐待防止に關する法律案要綱』
第7章 帝国議会における児童虐待防止法案の審議過程
第8章 児童虐待防止法実施状況にみる新たな子ども問題と子どもの複数性
終章 日本の児童虐待問題と子どもの近代
著者等紹介
高橋靖幸[タカハシヤスユキ]
2009年立教大学大学院文学研究科教育学専攻博士課程後期課程単位取得退学。現在、新潟県立大学人間生活学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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