出版社内容情報
近代社会が適切な養育の前提としてきた「家庭的な養育環境」とは。フィールドワークを通じ問題のメカニズムを社会学的視点から検討。
濃密なフィールドワークを基に児童養護施設に住む小学生の多様性、行為の意味が持つ複数性を分析、施設における生活実践とそこで生じる子ども集団の問題を浮かび上がらせ、その社会学的なメカニズムを描き出す。ケア環境の形態のみに焦点化した家庭─非家庭の二項対立を超え、施設における実践を家族社会学の視座から緻密に分析する。
内容説明
現代社会が「子どもの適切な養育」の前提としている「家庭的な養育環境」とは。児童養護施設職員としての参与観察を通じ、施設に住まう子どもたちの生活を社会学的な視点から生き生きと描き、日常生活で生じる様々な「問題」のメカニズムに迫る。第12回程ヶ谷基金「男女共同参画・少子化関連顕彰事業」論文の部奨励賞受賞。
目次
序章 施設で生活をする、家族と離れて暮らす
第1章 児童養護施設の社会学へ―「実践」への着目
第2章 調査概要
第3章 日常生活のエスノグラフィーと実践としての「施設」
第4章 施設内の仲間集団の影響と“友人”形成と実践
第5章 コミュニケーションとして生じる子ども間の身体的暴力と実践
第6章 子ども間での「差」と保護者との実践
第7章 施設内のルールによる養育環境形成のジレンマと子どもの社会化実践
第8章 施設において垣間見られる「家庭」実践
第9章 結論
著者等紹介
三品拓人[ミシナタクト]
2021年大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了、博士(人間科学)。保育士、社会福祉士。現在、日本学術振興会特別研究員PD(関西大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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