出版社内容情報
社会で顕在化する生活の不安定リスクの高い層を対象に調査を行い、実態解明と、支援のあり方について事実の提示と批判的検討を行う。
男性高齢単身者、シングルマザー、就職氷河期世代の非正規就業者などの生活不安を抱える層は、複合的な課題を内包している。女性の社会進出や単身世帯の増加により、従来の制度では実際の社会ニーズに対処できない事態が生じている。各クラスターでいかなる真の支援ニーズがあるのかを明らかにし、今後の社会保障のあり方を提言する。
内容説明
現場で求められる支援ニーズとは何か。社会で顕在化する、生活の不安定リスクの高い層を対象とした調査によって、その実態を解明するとともに、生活保障という視点から、今後の支援の方向性を検討する。
目次
第1部 生活保障と日本社会(生活保障の社会科学;生活保障としての働き方と家族の変化;生活支援の動き―地方自治体を中心とする生活支援提供体制の可能性;狭間へのアプローチ―政策研究としての質的調査の課題)
第2部 さまざまな支援ニーズの分析(高齢男性単身者の生活と生活不安と課題;女性のひとり親、単身女性の生活不安と支援の限界;就職氷河期世代の生活と生活の向上―支援ニーズから;相談窓口支援の今後)
著者等紹介
西村幸満[ニシムラユキミツ]
東京工業大学大学院理工学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、国立社会保障・人口問題研究所社会保障応用分析研究部第1室長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sayan
27
当時クリントン政権は「福祉から就労」を打ち出し、失業は当人の選択帰結で、失業者は社会保障に依存する怠惰な人間と暗に示した。当事者を「人的資本」として市場に求められる人材へ矯正教育を双方の合意で目指す、つまり措置から契約へ潮目が変わった瞬間だった。これは州政府の担当局で本件対応チームで、生々しい連邦政府通達を目にした時を思い出す。自ら必要な情報を得て最善の選択を行う人物像に矯正する動機に子どもに対する養育責任とし政策名とした。この事は先進国で潮流となるが、約20年後本書は失業の意味と人間観の修正を強く迫る。2021/03/18
Go Extreme
3
生活保障と日本社会:生活保障の社会科学 社会的リスクと生活保障 生活保障の空白 生活保障としての働き方と家族の変化 家族の変化 生活支援の動き ナショナル・ミニマムから地域へ 地域福祉の主流化 自立の多元化と自助の拡大 狭間へのアプローチ―政策研究としての質的調査の課題 質的調査から量的調査へ EBPMと社会調査 さまざまな支援ニーズの分析:高齢男性単身者の生活と生活不安と課題 女性のひとり親、単身女性の生活不安と支援の限界 就職氷河期世代の生活と生活の向上―支援ニーズから 相談窓口支援の今後2021/03/04