出版社内容情報
柔道整復師の施術は患者との相互行為を通じて達成される。相互行為の「記述」から明らかになる柔道整復師たちの実践的知識や方法論。
序章 社会のなかの柔道整復
第?部 本研究の対象と方法
第1章 柔道整復師はどのようにしてその名を得たか
1─1 はじめに
1─2 明治・大正期における講道館柔道の普及
1─3 接骨術の歴史
1─4 明治期における漢方医学・和方医学と蘭方医学の対立
1─5 「柔道接骨術」公認の戦略と名称をめぐる問題
1─6 本章のまとめ
第2章 柔道整復師と接骨院
2─1 柔道整復師法における柔道整復師ならびに施術所の定義
2─2 急増する柔道整復師と接骨院
2─3 データ収集の協力を得た2つの接骨院について
2─4 まとめ
第3章 医療場面のエスノメソドロジー研究
3─1 医療を社会的観点から記述すること
3─2 医療をフィールドにしたエスノメソドロジー研究
3─3 医療面接場面の会話分析批判はどのようになされてきたか
3─4 医療面接はどのように記述されてきたか
3─5 医療場面において身体はどのように記述されてきたか
3─6 医療場面におけるワークはどのように記述されてきたか
3─7 テンハヴの指摘
3─8 本書は先行研究のなかでどのように位置づけられるか
第4章 相互行為の「薄い/厚い」記述とヴィデオデータ
4─1 相互行為の記述と録音録画機器
4─2 フィールドワークとその前提としての日常生活
4─3 録音録画データへの批判
4─4 ライルの「厚い」記述とエスノメソドロジー
4─5 録音録画されたデータをどのように使用するか
4─6 トランスクリプトの表記と分析対象になるデータについて
4─7 まとめ
第?部 見立てにおける相互行為
第5章 問診
5─1 目的と方法
5─2 本章のデータについて
5─3 分析と考察
5─4 本章のまとめ
第6章 触診
6─1 目的
6─2 分析及び考察
6─3 まとめ
第7章 プロフェッショナル・ヴィジョン
7─1 柔道整復師の静止画を見る方法
7─2 分析と考察
7─3 インフォームド・コンセント場面
第?部 施術における相互行為
第8章 身体に電気を流す
8─1 はじめに
8─2 電気療法実践の分析
8─3 まとめ
第9章 身体を固定する
9─1 柔道整復師による保存療法とその専門性
9─2 柔道整復師に期待される保存療法についての知識
9─3 固定具作成の実践
9─4 固定具を使用した固定の実践
9─5 柔道整復師による固定の方法とその志向
第10章 ストレッチング
10─1 目的と方法
10─2 分析
10─3 まとめ
第11章 セルフストレッチングの指導
11─1 はじめに
11─2 分析及び結果
11─3 考察とまとめ
終章 本書のまとめ
あとがき
文献
索引
海老田 大五朗[エビタ ダイゴロウ]
著・文・その他
内容説明
問診時の沈黙、呼吸や表情の変化、プロフェッショナル・ヴィジョン、非対称な知識量。対面相互行為場面において、実践者であればだれでも大切だと思っているが、言語化しきれない微細なものと思われてきた領域。エスノメソドロジストが柔道整復の概念連関や方法を分析する。
目次
第1部 本研究の対象と方法(柔道整復師はどのようにしてその名を得たか;柔道整復師と接骨院;医療場面のエスノメソドロジー研究;相互行為の「薄い/厚い」記述とヴィデオデータ)
第2部 見立てにおける相互行為(問診;触診;プロフェッショナル・ヴィジョン)
第3部 施術における相互行為(身体に電気を流す;身体を固定する;ストレッチング;セルフストレッチングの指導)
著者等紹介
海老田大五朗[エビタダイゴロウ]
1975年宮城県仙台市生まれ。成城大学大学院文学研究科コミュニケーション学専攻博士課程後期単位取得退学、博士(文学)。現職、新潟青陵大学福祉心理学部准教授。専攻はエスノメソドロジー、保健医療社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。