和みを紡ぐ―子育てひろばの会話分析

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和みを紡ぐ―子育てひろばの会話分析

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  • サイズ A5判/ページ数 291p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326603039
  • NDC分類 369.4
  • Cコード C3036

出版社内容情報

子育てひろばの和やかな雰囲気は、そこに集う母親たちのコミュニケーションから紡ぎ出される――そのしくみを会話分析から解明する。幼い子どもを連れて子育てひろばに集う母親たちは、子どもや子育てについて語り合い、ひとときの息抜きのなかで緩やかなつながりを得る。そんな和やかな雰囲気を作り出すのは、他ならぬ母親たちのコミュニケーションである。そのしくみ、すなわち「和みの紡ぎかた」を、地道なフィールドワークにもとづく会話分析から詳らかにする。

1章 和みはどんなふうに紡がれるのか

 1 会話から捉える子育てひろば

 2 なぜ会話分析なのか

 3 子育てひろばと家族社会学

 4 子育てひろばと子ども家庭福祉

 5 フィールドとデータ

 6 本書のガイドマップ

 7 書き起こしの記号の意味



2章 会話分析――方法として・領域として

 1 子育てひろばで読んでもらう

 2 人々の営みのしくみを解き明かす――エスノメソドロジー

 3 方法としての会話分析――基本的なアイディア

 4 領域としての会話分析――広がりと深まり

 5 悩み語りの研究



3章 子育てひろばをめぐる問いと会話分析――育児不安・育児ネットワーク・スタッフの専門性

 1 家族社会学の問いと子ども家庭福祉の問い

 2 子育てひろばと育児不安・育児ネットワーク――厚生労働省と母親のパースペクティブ

 3 育児不安とその研究

 4 育児ネットワークとその研究

 5 母親どうしのコミュニケーションという問い

 6 子育てひろばにおける支援の理念と問題――スタッフのパースペクティブ

 7 子育てひろばと子ども家庭福祉――明らかにされてきたこと

 8 スタッフの専門性とコミュニケーションという問い



4章 和みが紡がれるところ――子育てひろばというフィールド

 1 励起する子育てひろば

 2 政府事業としての子育てひろば

 3 子育てひろばの活動内容

 4 母親たちにとっての子育てひろば

 5 子育てひろばX

 6 子育てひろばY

 7 2つの子育てひろばの整理



5章 やりとりが始まるしくみ(1)――糸口質問連鎖

 1 くり返される「最初の第一歩」

 2 話題を開始する手続き

 3 糸口質問連鎖

 4 糸口質問と先行するやりとりの断絶性

 5 悩み語りの前ぶれとしての糸口質問

 6 悩み語りの切り出しを支えるもの――褒めと羨み

 7 悩み語りの糸口



6章 やりとりが始まるしくみ(2)――説明促し連鎖

 1 子どもがつくる会話のきっかけ

 2 連鎖の構造

 3 知識における秩序と行為の連鎖

 4 連鎖の第1成分

 5 連鎖の第2成分

 6 応答の追求

 7 和みを紡ぐために必要なもの



7章 悩みを分かち合うしくみと助言のしくみ

 1 「うち解けた雰囲気」という謎

 2 母親どうしのつながりと子育ての悩み

 3 悩みを分かち合う

 4 自分の場合的な助言

 5 自分の場合的な助言への応答

 6 明るい見通し

 7 助言を報告と捉えることで得るもの

 8 息抜きとしての悩み語り



8章 母親どうしがつながるしくみ

 1 つながりを生み出す

 2 母親どうしのつながりをどう捉えるか

 3 ティータイムのおしゃべり――場面と話題

 4 親しい母親どうしのやりとり

 5 初対面の母親たちをふくむやりとり

 6 やりとりとつながり



9章 しくみを貫く3本の糸――日常性・道徳性・専門性

 1 取り組んできた問い

 2 解き明かしたやりとりのしくみ

 3 ありふれたやりとりのしくみ

 4 悩み語りと道徳性

 5 スタッフの専門性とコミュニケーション

 6 本書の先に見えているもの



結語 和みの紡ぎかた





糸を結ぶ

引用文献

索引

戸江 哲理[トエ テツリ]
著・文・その他

内容説明

母親たちは子育てひろばで、つかの間のやすらぎを得るとともに、つながりの芽を育む。その和やかな雰囲気をもたらしているのは、他でもない母親たちのコミュニケーションである。そのしくみ、すなわち「和みの紡ぎかた」を会話分析によって解き明かす。ひたむきなフィールドワークから濃やかに描き出される子育てひろばの世界。

目次

和みはどんなふうに紡がれるのか
会話分析―方法として・領域として
子育てひろばをめぐる問いと会話分析―育児不安・育児ネットワーク・スタッフの専門性
和みが紡がれるところ―子育てひろばというフィールド
やりとりが始まるしくみ(糸口質問連鎖;説明促し連鎖)
悩みを分かち合うしくみと助言のしくみ
母親どうしがつながるしくみ
しくみを貫く3本の糸―日常性・道徳性・専門性
結語 和みの紡ぎかた

著者等紹介

戸江哲理[トエテツリ]
1980年大阪府に生まれる。2004年神戸大学法学部卒業。2009年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。日本学術振興会特別研究員PD(奈良女子大学)などを経て、神戸女学院大学文学部専任講師。京都大学博士(文学)。専攻はコミュニケーション論・家族社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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