高校就職指導の社会学―「日本型」移行を再考する

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高校就職指導の社会学―「日本型」移行を再考する

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  • サイズ A5判/ページ数 226p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326602933
  • NDC分類 375.2
  • Cコード C3036

出版社内容情報

00年代以降の日本の高校就職指導がいかなる状況にあるのか、特に選抜・配分機能と、都市/地方の地域性の違いに着目して分析する。学校から職業へのスムーズな移行を促す高校就職指導は、若年失業率の低下に寄与しているとして、80年代には国際的にもその機能が高く評価されたが、90年代にはその評価は反転した。従来は、生徒の就職先の確保や配分を期待されてきた高校就職指導が、2000年代以降どのような状況となっているのか、実証データにより詳細に検討する。

はしがき――高校就職指導を通じて日本の学校から職業への移行を考える



序章 高校から職業への移行研究の背景

 1 はじめに

 2 90年代初頭までの高卒就職の状況と制度的枠組みの意義

 3 2000年代半ば以降の高卒労働市場の変化

 4 高卒就職の現状



第1章 先行研究の検討──高校から職業への移行研究

 1 移行研究の特徴と「移行」概念の整理

 2 高校から職業への移行に関する教育社会学的研究

 3 企業サイドからみた高校から職業への移行研究──「実績関係」への疑問

 4 高卒者の地域移動(県外就職)の現状

 5 先行研究から見出される課題



第2章 先行研究の課題に挑む

 1 本書の検討課題──労働市場変数の導入

 2 高校就職指導の定義

 3 研究の方法



第3章 2000年代の高校就職指導類型──「学校に委ねられた職業選抜」の現在

 1 現場における高校就職指導の変化

 2 就職指導類型の分類

 3 小さくなる「80年代型」就職指導



第4章 高校就職指導の実態──インタビュー調査から

 1 事例の位置づけ

 2 4つの高校就職指導類型の実態

 3 高校就職指導類型の布置



第5章 80年代の高校就職指導を再考する

 1 「学校に委ねられた職業選抜」の課題

 2 通説を再検討する

 3 メリトクラティックな世界の範囲を測る

 4 高校就職指導の全体像における「学校に委ねられた職業選抜」の位置



第6章 地方における高卒者の移行過程──北海道・長野・東京の比較から

 1 高卒労働市場類型における位置づけ

 2 調査の方法

 3 各地域の状況

 4 高卒労働市場類型にみる若者の移行過程

 5 学科の効果

 6 大都市モデルの特徴と限界



第7章 高卒就職における地域移動の現状──青森県と高知県を事例として

 1 高卒者の地域移動の推移

 2 需要不足地域での地域移動──青森県と高知県に焦点をあてて

 3 高校単位でみる県外就職率の分布

 4 事例の検討──高知B工業と青森B工業の比較

 5 地域移動に対する高校就職指導方針

 6 生まれ育った地域という属性に影響される地域移動



終章 本書の知見の整理と示唆──高校就職指導を手がかりに

 1 知見の要約

 2 本書の示唆

 3 残された課題



引用文献一覧

資料編

あとがき

索引

堀 有喜衣[ホリ ユキエ]
堀 有喜衣(ほり ゆきえ) 1972年茨城県生まれ。2002年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科単位取得退学。2002年日本労働研究機構研究員。2003年組織名変更に伴い、独立行政法人労働政策研究・研修機構研究員。2013年労働政策研究・研修機構主任研究員。2015年お茶の水女子大学より博士(社会科学)取得。主要業績:『キャリア教育と就業支援』(共編著、勁草書房、2006)、『人材育成としてのインターンシップ』(共著、労働新聞社、2006)、『フリーターに滞留する若者たち』(編著、勁草書房、2007)、「『日本型』高校就職指導を再考する」『日本労働研究雑誌』第619号(2011、第13回労働関係論文優秀賞)、『高校・大学の未就職者への支援』(共編著、勁草書房、2013)

内容説明

日本の高校における就職指導の全体像をとらえる。従来、単一の高校就職指導像を通じて把握されてきた「日本型」移行を問い直し、地域労働市場による日本の高校就職指導の多様性を調査により丹念に分析する。学校から職業への移行の現在を照射する、高校就職指導に関する基本文献。

目次

序章 高校から職業への移行研究の背景
第1章 先行研究の検討―高校から職業への移行研究
第2章 先行研究の課題に挑む
第3章 2000年代の高校就職指導類型―「学校に委ねられた職業選抜」の現在
第4章 高校就職指導の実態―インタビュー調査から
第5章 80年代の高校就職指導を再考する
第6章 地方における高卒者の移行過程―北海道・長野・東京の比較から
第7章 高卒就職における地域移動の現状―青森県と高知県を事例として
終章 本書の知見の整理と示唆―高校就職指導を手がかりに

著者等紹介

堀有喜衣[ホリユキエ]
1972年茨城県生まれ。2002年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科単位取得退学。日本労働研究機構研究員。2003年組織名変更に伴い、独立行政法人労働政策研究・研修機構研究員。2013年労働政策研究・研修機構主任研究員。2015年お茶の水女子大学より博士(社会科学)取得。「『日本型』高校就職指導を再考する」『日本労働研究雑誌』第619号(2011、第13回労働関係論文優秀賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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かーんたや

1
2016年の本のため、その後の高卒採用自由化の動向などは対象外。また就職指導と就職までが対象で、定着は対象外。高卒就職の半分が3年以内に退職するのは本人が主体的に職業選択できていないからという説をよく聞くし、自分も職業生活への適応・定着難しかったので、その部分を対象とした本が読みたい。事例が多岐に渡り過ぎて定量的に研究できないのかもしれないが。大学は立場上教育・研究の独立した価値を主張するから職業への移行についてはろくに研究しようとしない。社会の多くの人にとって最大の関心事のひとつなのに。その点では良書。2020/12/11

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