出版社内容情報
人目を惹く装いやとっぴな言動で「世紀末ダンディ」と呼ばれたオスカー・ワイルド。服飾を社会階級による縛りから解放し、健康的・合理的・美的衣服の在り方を説いたその主張は、コルセットやハイヒールを廃した実用的な女性の服飾を社会に広める役割を果たした。ワイルドの評論や講演を中心に彼の服飾史における功績を問う。
内容説明
19世紀末唯美主義文化の旗手、オスカー・ワイルド。その作品を服飾美学の視点から検討、「新しい女性」像の誕生に果たした役割を描く。
目次
第1章 ワイルドの服飾観(ダンディこそ未来の支配者―ワイルドの装いと紳士服;ネクタイとボタンホール―『ドリアン・グレイの肖像』にみるダンディ;肩から下がるドレス―理想の女性服;流行の女神の専制政治―『ウーマンズ・ワールド』の記事から)
第2章 ワイルドの喜劇にみる衣裳(緑のカーネーション―『ウィンダミア卿夫人の扇』;黒いドレス―『なんでもない女』;「流行」は自分が身につけているもの―『理想の夫』;ピンクの薔薇―『まじめが肝心』)
第3章 演劇にみる「新しい女」の表象(「新しい女」とは;炎のイヴニング・ドレス―『タンカレイの後妻』;ドアの鍵と煙草―『新しい女』;指輪とブレスレット―『反逆するスーザンの事件』)
第4章 ヴィクトリア朝の新しい服飾表現(五時のお茶―ティー・ガウン;女性の自立―テーラー・メイド・コスチューム;日本趣味―ティー・ガウンと子どもファンシー・ドレス)
著者等紹介
佐々井啓[ササイケイ]
1946年生まれ。1971年お茶の水女子大学大学院家政学研究科修士課程修了。現在、日本女子大学家政学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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