内容説明
社会科学の共通基盤となる、時代を超越する社会情報学!「情報」概念の徹底した分析から析出される、人間社会の新たな理解。
目次
1 社会情報学の構想(学問的創造の条件―技法・主体・文化;情報・情報処理・情報化社会;社会情報学の構想とその背景―新しいDisciplineの誕生をめざして;コミュニケーション学研究科はすごい!―その三つの理論的・実践的意義;社会情報学の時代超越性と時代被拘束性)
2 新科学論の展開(近代科学のパラダイム・シフト―進化史的「情報」概念の構築と「プログラム科学」の提唱;俯瞰型研究の対象と方法―「大文字の第二次科学革命」の立場から)
3 「自由領域科学」の試み(比較幸福学の一つの研究プログラム;安全学事始―“自由領域科学”としての安全科学)
座談会 吉田理論の意義と残された課題
著者等紹介
吉田民人[ヨシダタミト]
1931年8月20日生まれ。2009年10月27日逝去。享年78歳。学歴:1955年京都大学文学部哲学科社会学専攻卒業。1957年京都大学大学院文学研究科修士課程社会学専攻修了。職歴:関西大学文学部助教授、大阪大学教養学部助教授、京都大学教養学部助教授、東京大学文学部助教授、東京大学文学部教授、中央大学文学部教授を歴任、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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高円寺
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目当てである「第8章 比較幸福学の一つの研究プログラム」以外ほぼ流し読み。吉田民人の文章は一見リーダブルな一文にものすごい「情報」量が圧縮されているので、細かく読むと苦労するからです。「比較幸福学」論文も序盤の言語論だけでも大変な情報量で、鶴見俊輔「言葉のお守り的使用法」や言語行為論、言説分析や意味論(ルーマン)等を連想させ、言語の「呪術性」への吉田の洞察にため息が出る。吉田理論の包括性は歴史の産物と見ることもできるが、「社会学」という営為をまとめる基礎理論ないし背骨のような役割がある、と思う。2021/08/11
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