出版社内容情報
破壊された環境をいかに復元・再生すべきか。今後の環境政策の重要な柱とされるべき環境再生をキーワードに学際的立場から環境政策の課題を論じる新たなテキスト。
足尾鉱毒事件や熊本水俣病をはじめ、大気・土壌汚染や産廃等に苦しむ地域の被害救済・環境復元はどのように行われ、また取り組まれるべきか。環境経済・環境法といった特定の学問分野に基づく従来の概説書とは異なり、本書は環境破壊の被害者や市民らが環境政策に求めている課題を受けとめ、重要な政策理念の1つとして展開する。
[関連書]
寺西俊一・西村幸夫編 『地域再生の環境学』(東京大学出版会)
序章 環境再生の意義と課題
──足もとの地域から「持続可能な社会」をめざして──
第Ⅰ部 「原点」から環境再生を考える
第1章 地域環境資源をめぐる共同性の再構築
──渡良瀬川流域における地域的環境経済システムの転換過程──
第2章 大規模開発の決算と地域再生の課題
──苫小牧東部とむつ小川原を中心に──
第Ⅱ部 環境再生の具体的課題
第3章 被害者救済制度の改善と福祉コミュニティの役割
──大気汚染公害を事例として──
第4章 公害病患者のコミュニティ・ケア
──熊本水俣病の事例から──
第5章 産業廃棄物の不法投棄と地域再生
──香川県豊島の事例から──
第6章 土壌汚染事件と対策法制の問題点
──大阪・滋賀の事例から──
第Ⅲ部 環境再生の担い手と制度
第7章 沿岸域の環境再生に向けた市民の役割
──神奈川県川崎市を事例として──
第8章 国際環境協力と市民の役割
──アジアにおける被害者救済へ向けたネットワークづくり──
第9章 環境再生のための主体形成と法
──地域住民の法的地位の確立のために──
索引
執筆者紹介
内容説明
地域の視点を中心に、被害救済や環境の復元に取り組むための政策課題を学際的に考える新たなテキスト。足尾鉱毒・水俣病事件から、大気・土壌汚染や産廃などの現代の環境問題まで、環境再生をキーワードに分析・整理する。
目次
環境再生の意義と課題―足もとの地域から「持続可能な社会」をめざして
第1部 「原点」から環境再生を考える(地域環境資源をめぐる共同性の再構築―渡良瀬川流域における地域的環境経済システムの転換過程;大規模開発の決算と地域再生の課題―苫小枚東部とむつ小川原を中心に)
第2部 環境再生の具体的課題(被害者救済制度の改善と福祉コミュニティの役割―大気汚染公害を事例として;公害病患者のコミュニティ・ケア―熊本水俣病の事例から;産業廃棄物の不法投棄と地域再生―香川県豊島の事例から;土壌汚染事件と対策法制の問題点―大阪・滋賀の事例から)
第3部 環境再生の担い手と制度(沿岸域の環境再生に向けた市民の役割―神奈川県川崎市を事例として;国際環境協力と市民の役割―アジアにおける被害者救済へ向けたネットワークづくり;環境再生のための主体形成と法―地域住民の法的地位の確立のために)
著者等紹介
礒野弥生[イソノヤヨイ]
1947年、東京都生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。東京経済大学現代法学部教授。専攻、環境法・行政法
除本理史[ヨケモトマサフミ]
1971年、神奈川県生まれ。1999年、一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。東京経済大学経済学部助教授。博士(経済学)。専攻、環境経済学・環境政策論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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