出版社内容情報
ロマン主義恋愛の意識と結婚観の成立と解体。人々はどのような結婚戦略をとってきたのだろうか。多様な習俗とエピソードから描ききる。
かつての「妻売り」の習俗や「耳障りな音楽」「シャリヴァリ」等の奇妙な若者たちの文化行動が持つ意昧を解読し、「ホワイト・ウエディング」の盛衰を分析する。今日の結婚観がどのような文化的流れの中にあるのか。求愛と結婚という家族形成の倫理と習俗、その政治的・社会的な意昧を描く社会史研究の決定版。
関連書:同訳者『再生産の歴史人類学』、『家族・性・結婚の社会史』(共に小社刊)
第一部 16世紀と17世紀における求愛行動と結婚
第1章 独身でもなく事実上の結婚でもなく
同性社会的な世界の求愛行動と結婚
第2章 結婚の祝祭ゲーム
盛大な結婚式の政治学
第3章 生まれと婚資は相手選びの邪魔にはならぬ
内縁婚と性的不一致
第二部 農業革命と産業革命の時代における軋轢と変動・1750~1850年
第4章 二人くらべて良い方の男
男女関係の変貌・1750~1850年
第5章 変貌する民衆の結婚習俗
私的な結婚対公的な結婚披露宴
第6章 希望の最終段階
禁欲する都市から結婚する都市へ
第7章 結婚すれども登録せず
コモンローによる結婚と性的不一致の復活
第三部 強制結婚の時代・1850~1960年
第8章 ひどい夫でもいないよりはまし
結婚への義務・1850~1914年
第9章 分かち合う愛
20世紀における求愛行動の儀式化
第10章 レディーはホワイト・ウエディングが好き
盛大な結婚式の復活
第四部 夫婦神話と結婚生活の実相・1960年~現代
第11章 愛と結婚
未解決の矛盾
原注
訳注
訳者あとがき
参考文献一覧
付録
図版一覧
人名・事項索引
内容説明
「させられる結婚」から「する結婚」「しない結婚」へ。ロマン主義恋愛の結婚戦略。多様な習俗儀礼とエピソードを解剖する結婚観の社会史研究。
目次
第1部 一六世紀と一七世紀における求愛行動と結婚(独身でもなく事実上の結婚でもなく―同性社会的な世界の求愛行動と結婚;結婚の祝祭ゲーム―盛大な結婚式の政治学;生まれと婚資は相手選びの邪魔にはならぬ―内縁婚と性的不一致)
第2部 農業革命と産業革命の時代における軋轢と変動・一七五〇~一八五〇年(二人くらべて良い方の男―男女関係の変貌・一七五〇~一八五〇年;変貌する民衆の結婚習俗―私的な結婚対公的な結婚披露宴;希望の最終段階―禁欲する都市から結婚する都市へ;結婚すれども登録せず―コモンローによる結婚と性的不一致の復活)
第3部 強制結婚の時代・一八五〇~一九六〇年(ひどい夫でもいないよりはまし―結婚への義務・一八五〇~一九一四年;分かち合う愛―二〇世紀における求愛行動の儀式化;レディーはホワイト・ウエディングが好き―盛大な結婚式の復活)
第4部 夫婦神話と結婚生活の実相・一九六〇年~現代(愛と結婚―未解決の矛盾)
著者等紹介
ギリス,ジョン・R.[ギリス,ジョンR.][Gillis,John R.]
1939年アメリカ生まれ。1960年アマースト・カレッジ卒業。1965年スタンフォード大学で博士号取得。1966年プリンストン大学助教授に就任。1969‐70年オックスフォード大学客員教授。1976年ラトガーズ大学教授に就任。専攻分野は歴史学、ヨーロッパ近代史
北本正章[キタモトマサアキ]
1949年徳島県生まれ。1984年、東京大学大学院博士課程(教育学専攻)単位取得満期退学。1996‐7年、ケンブリッジ大学考古学・社会人類学部客員研究員。1997年、青山学院大学文学部教授(聖心女子大学、白百合女子大学、上智大学、東京大学などで非常勤講師)。専攻分野は教育学、教育思想、家族史、発達社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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