出版社内容情報
本書は,19世紀後半のイギリス社会事業の近代化について,その推進力の役割を果したロンドン慈善組織協会 (COS)を中心にして,歴史的に分析したものである。
【目次】
序論―本研究の課題と方法について
第1部 イギリス近代社会事業形成の一般的背景
1 1860―80代のロンドンの失業と貧困の構造
2 「1834年原則」と新救貧法行政の展開について
3 浮動的窮乏層の公的施策
第2部 「慈善組織」と近代社会事業の形成過程
1 ロンドン慈善組織協会の創設過程
2 ロンドン慈善組織協会の活動の諸原則の形成
3 C.S.ロックの慈善理論
4 救貧法と協力体制の展開
5 C.O.S.の「乞食抑圧」計画と浮動的窮乏層の対策
6 ケースワークの発達過程
第3部 社会改良主義とロンドン慈善組織協会
1 1880―90年代のロンドンの失業と貧困に関する諸見解について
2 失業対策とC.O.S.
3 国家年金計画とC.O.S.
4 公衆衛生および住宅改良とC.O.S.
5 貧困家庭児童の対策と処遇
6 心身障害児対策とC.O.S.
7 医療制度の改革とC.O.S.
8 S.A.バーネットの「友情的批判」について
結論
あとがき
史料および文献
索引