内容説明
経済システムの歴史的進化経路は宗教に依存する(から独立ではない)。日本人の叡智が生んだ日本経済システムの特徴はどのような社会的文化的な条件のもとに成立したのか。マックス・ウェーバーを拡張したモデルにより宗教の変化とその経済行動へのインパクトを分析する。
目次
序章 日本経済システムの探求
第1章 経済行動と宗教はどうとらえられてきたか
第2章 宗教の変化―日英比較
第3章 宗教の変化と経済社会システム―イギリス
第4章 宗教の変化と経済社会システム―日本
第5章 家族の構造の日英比較史
第6章 市場経済化と村落共同体―日本とイギリス
終章 宗教の変化と日本経済システム
著者等紹介
寺西重郎[テラニシジュウロウ]
一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、日本大学客員教授、一橋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
92
この著者の最新刊「日本型資本主義」を読んで、さらにその本のもととなっているこの書を精読しました。私にとっては珍しい精読です。いつもは筋に追われてざっと読んでしまうのですが、この本は本当に知的好奇心を満足させてくれる経済書でした。久しぶりにいい本に出合いました。ウェーバーの本をもtにして日英の宗教から始まり経済社会の比較があり家族の在り方などをも比較しています。たぶんむかし同じように興味を持った神島二郎さんの本と同様に何度か再読する本になりそうです。2018/10/29
koji
3
恐るべき本です。正月明けから格闘し、本日読み終えました。読み進む速度は遅く、もどかしさを感じながら。この間の知的格闘は想像を絶するもので、ぜひ時間を取って味わってほしいと思います。本書の結論は、個人の独立を重視する個人主義(英国)と求道による自己実現を重視する個人主義(日本)を、世界経済の調和的発展のためにバランスを調整することが不可欠というものです。とりわけ、共生に関する日本からの情報発信を喫緊の課題としています。ここに至る本書の長いプロセスこそ読者の頭脳をバージョンアップさせてくれるものと思いました。2015/01/10
ミッキー
1
実に面白い。本質に迫る見方というのに触れた気がします。宗教が人間の生き方を規定するのは納得出来るし、その営みである経済がそれによって影響を受けるももっともなのに今迄、思いつきませんでした。アメリカが宗教的な国になった理由も推察できます。2016/02/20
川原 健太郎
0
14-71/42015/02/20
ひらっち
0
日本型の資本主義というものが、仏教思想に影響を受けているというのはある程度納得できた。 しかし、一方で現代の日本人がどこまで仏教思想に影響を受けているのだろうか。 現代においてはかなり間接的な影響しか受けていない気がするが、それが今後どうなっていくのかが疑問。2019/09/15