内容説明
非正規雇用で働く人々のキャリア形成を促進するために、実践的な能力開発の機会を提供し、職業能力が社会的に評価される仕組みを考えるとともに、「ジョブ・カード制度」について検討する。
目次
非正規雇用者のキャリア形成と政策対応
第１部 非正規雇用の職業能力開発とキャリア形成の実態（職業への移行の脱標準化はいかに起こっているのか？；非正規就業する若者が正社員へ移行する要因は何か―継続期間データを用いた規定要因分析；正社員への移行の実態と課題―内部登用の可能性；非正社員の企業内訓練の受講とその効果）
第２部 ジョブ・カード制度の実態（正社員への移行支援政策としてのジョブ・カード制度の現状と課題；教育訓練と職業能力評価の普及のために―ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を事例として）
非正規雇用者のキャリア形成機会を拡大するために
著者等紹介
小杉礼子［コスギレイコ］
１９５２年生まれ。１９７５年東京大学文学部卒業。２００９年博士（教育学）。現在、独立行政法人労働政策研究・研修機構統括研究員
原ひろみ［ハラヒロミ］
２００３年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。２００７年博士（経済学）。現在、独立行政法人労働政策研究・研修機構副主任研究員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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苦虫
6
友達の就活支援で「才能も実績もあるのに非正規というキャリアで大企業は無理なんだよな〜」と。と言っても彼女はやはり頭が良いので外国に就職してしまったが。さて、そんな「普通の人たち(3割が非正規)が正社員に移行するには？」という話。非正規は職務範囲も職業訓練機会も乏しい。そこで長期インターン+職能認定の「ジョブカード制度」ですね、と。これはミスマッチを防いだり中小企業就職に効果的であり、認知度向上も含め一層の拡大が求められる。これは良い助成金依存だと。量的+聞き取り(これがかなり良い)で安心の研究。2015/10/14
Kenji Suzuya
1
非正規雇用者の正規への登用および職業能力開発について、計量的な分析を中心とし、特に後者についてはジョブ・カード制度を取り上げる。能力開発における、汎用性があり、かつ公平･客観的な評価制度の確立･普及の必要性の指摘は尤もである。一方で現状分析については不十分なところも多々ある。専門性がある業務と専門性を要しないルーティン的業務の違いを考慮せず「非正規」として一括することは分析の妥当性を損なう。研修の非実施についてもこの区分の考慮が必要だろう。2015/09/27
