出版社内容情報
環境、少子化、貿易協定などの問題を加味しながら、国際労働移動を理論的に経済分析することで、弱い立場に置かれている日本の労働者のための政策を探求する。
自国に流入してくる労働者にどう対応すべきか。労働力を送り出す発展途上国に由来する環境破壊・越境汚染の問題、少子高齢化社会を理由として地域貿易協定に組み込まれている、看護・介護の外国人労働者を導入するEPAプログラムヘの評価、効率賃金、労働組合、最適規制から鑑みた選択的な労働力受け入れ政策について論じる。
[関連書] 近藤健児・多和田眞・松葉敬文 編著
『労働者管理企業と労働移動の経済学』 (勁草書房刊)
はしがき
第1部 環境と国際労働移動
第1章 越境汚染と国際労働移動
1.1 はじめに
1.2 モデルの概要
1.3 貿易のない国際労働移動
1.4 自由貿易と国際労働移動
1.5 結 語
第2章 越境汚染と頭脳流出
2.1 はじめに
2.2 モデル
2.3 国際労働移動の方向
2.4 未熟練単純労働者の移動
2.5 通常の頭脳流出
2.6 格落ち頭脳流出
2.7 国際貿易と国際労働移動
2.8 結 語
第2部 少子化,貿易と国際労働移動
第3章 越境汚染,FTA/EPAと経済厚生
3.1 はじめに
3.2 モデル
3.3 閉鎖経済均衡と,国際貿易下での生産特化パターン
3.4 ケース1
3.5 ケース2
3.6 ケース3
3.7 結 語
第4章 EPAは人口減少国にとって有益か
4.1 はじめに
4.2 モデル
4.3 分 析
4.4 結 語
第3部 労働市場と国際労働移動
第5章 効率賃金,失業と外国人労働者
――合法および非合法外国人労働者が並存するモデル――
5.1 はじめに
5.2 労働市場
5.3 ケース1:非合法外国人労働量を規制できる場合
5.4 ケース2:非合法外国人労働量が規制できない場合
5.5 結 語
第6章 国際労働移動と労働組合
6.1 はじめに
6.2 基本モデル
6.3 定住移民労働者
6.4 農業部門への出稼ぎ労働の流入と送金活動
6.5 工業部門への出稼ぎ労働の流入と送金活動
6.6 結 語
第7章 繰り返し労働移動と最適規制政策
7.1 はじめに
7.2 モデル
7.3 一世一度労働移動と繰り返し労働移動
7.4 比較静学分析
7.5 結 語
参考文献
索 引
謝 辞
目次
第1部 環境と国際労働移動(越境汚染と国際労働移動;越境汚染と頭脳流出)
第2部 少子化、貿易と国際労働移動(越境汚染、FTA/EPAと経済厚生;EPAは人口減少国にとって有益か)
第3部 労働市場と国際労働移動(効率賃金、失業と外国人労働者―合法および非合法外国人労働者が並存するモデル;国際労働移動と労働組合;繰り返し労働移動と最適規制政策)
著者等紹介
近藤健児[コンドウケンジ]
1962年愛知県に生まれる。1984年京都大学経済学部卒業。1994年名古屋市立大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。現在、中京大学経済学部教授、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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