日本交通政策研究会研究双書
対距離課金による道路整備

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 234p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326548149
  • NDC分類 685.14
  • Cコード C3333

出版社内容情報

受益者負担の原則に立ち返る制度である対距離課金の意義を理論的に明らかにし、短期的な交通需要管理、長期的な道路整備に寄与できることを示す。

わが国では戦後、特定財源制度、有料道路制度を活用して道路整備を続けてきたが、50年以上経過し制度疲労を起こし始めている。時代のニーズにあわせ制度を改革する必要があるのではないだろうか。本書はこの時代の要請に応える制度である対距離課金制度の意義と具体的説明を行う。

[関連書] 山田浩之編 『交通混雑の経済分析』 
       關哲雄・庭田文近編著 『ロード・プライシング』 (勁草書房刊)

はじめに:対距離課金の政治経済学

   第1部 対距離課金による道路整備の意義

第1章 道路整備財源調達制度の課題と対距離課金の目的
 1.1 はじめに
 1.2 道路整備財源調達制度の課題
 1.3 対距離課金の2つの目的:
    「交通需要管理」と「需要に見合った道路整備」
 1.4 まとめ

第2章 道路整備における受益者負担の考え方
 2.1 はじめに
 2.2 特定財源制度と一般財源制度の比較
 2.3 公共財としての道路と「ただ乗り問題」
 2.4 受益者負担の考え方
 2.5 価格代替機能の適用に関する課題と解決策
 2.6 まとめ

   第2部 道路整備財源制度の実態

第3章 車種間における費用と負担の実態
 3.1 はじめに
 3.2 道路整備における費用の概念
 3.3 計量経済学的手法
 3.4 コスト・アロケーション・スタディ的手法
 3.5 まとめ

第4章 地域間における費用と負担の実態
 4.1 はじめに
 4.2 費用と負担の推定に関する前提条件
 4.3 費用と負担の現状に関する推定結果
 4.4 まとめ

第5章 米国連邦道路予算における最低配分保証
 5.1 はじめに
 5.2 最低配分保証措置の仕組み
 5.3 道路投資額の地域配分モデル
 5.4 まとめ

   第3部 欧米における対距離課金の実際

第6章 海外における対距離課金の事例
 6.1 はじめに
 6.2 欧州における固定料金から対距離課金への流れ
 6.3 アメリカにおけるバリュープライシング社会実験事業
 6.4 まとめ

第7章 欧州における対距離課金の模索
 7.1 はじめに
 7.2 欧州における対距離課金制度の法的根拠
 7.3 欧州委員会による交通外部不経済内部化調査
    (IMPACTプロジェクト)
 7.4 まとめ

   第4部 費用と負担の一致による費用回収の最適化

第8章 車種間の費用と負担の一致による費用回収の最適化
 8.1 はじめに
 8.2 問題の所在
 8.3 「費用負担プール」の概念
 8.4 分析条件の設定
 8.5 受益者負担に基づく対距離課金の検討
 8.6 まとめ

第9章 地域間の費用と負担の一致による費用回収の最適化
 9.1 はじめに
 9.2 問題の所在
 9.3 分析条件の設定
 9.4 費用負担プールの設定規模に基づく受益者負担の徹底の評価
 9.5 費用負担プール間の内部補助率に基づく受益者負担の徹底の
    評価
 9.6 まとめ

   第5部 対距離課金による交通需要管理と道路整備の最適化

第10章 対距離課金による交通需要管理の最適化
 10.1 はじめに
 10.2 交通需要管理モデルとは
 10.3 交通需要管理モデルの基本モデル
 10.4 交通需要管理モデルによる課金効果の評価
 10.5 交通量が多い/少ないケースの感度分析
 10.6 まとめ

第11章 対距離課金による道路容量の最適化
 11.1 はじめに
 11.2 対距離課金による道路容量の最適化問題
 11.3 対距離課金に基づく道路容量最適化シミュレーション
 11.4 まとめ

参考文献

おわりに:対距離課金による幹線道路の計画論

索引

内容説明

対距離課金制度の意義を理論的に明らかにするとともに、具体的なシミュレーション分析を通じて対距離課金が短期的な交通需要管理、長期的な道路整備に寄与できることを示す。また受益者負担の原則に立ち返り、時代のニーズにあわせた道路整備のあり方を提唱する。

目次

第1部 対距離課金による道路整備の意義(道路整備財源調達制度の課題と対距離課金の目的;道路整備における受益者負担の考え方)
第2部 道路整備財源制度の実態(車種間における費用と負担の実態;地域間における費用と負担の実態;米国連邦道路予算における最低配分保証)
第3部 欧米における対距離課金の実際(海外における対距離課金の事例;欧州における対距離課金の模索)
第4部 費用と負担の一致による費用回収の最適化(車種間の費用と負担の一致による費用回収の最適化;地域間の費用と負担の一致による費用回収の最適化)
第5部 対距離課金による交通需要管理と道路整備の最適化(対距離課金による交通需要管理の最適化;対距離課金による道路容量の最適化)

著者等紹介

根本敏則[ネモトトシノリ]
一橋大学大学院商学研究科教授。1982年東京工業大学大学院社会工学専攻博士課程修了。工学博士。専門分野は公共システム論、ロジスティクス・マネジメント、交通経済学

味水佑毅[ミスイユウキ]
高崎経済大学地域政策学部専任講師。2005年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。専門分野は交通経済学、観光政策論、ロジスティクス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

最近チェックした商品