出版社内容情報
乗合バス事業の規制緩和は地方のバス交通に何をもたらしたのか。規制緩和前後の動向と結果について実態調査から問題点を整理する。
バス事業者や自治体の多くは、規制緩和にそなえ、効率的な公共交通の運営を模索し、在来の乗合バス廃止後の代替バス運行方法や民間委託などについて工夫を行ってきた。その中には地域交通政策に対する示唆に富んだものも散見される。本書は、規制緩和後の地方バス市場を考察し、規制緩和後を先取したそれ以前の動向についても可能な限り取り扱う。
第1章 規制緩和後のバス市場の変化
1.1 バス事業の規制緩和と市場変化
1.2 新規参入乗合バス会社の経営戦略
1.3 既存事業者の経営戦略としての分社化─北陸鉄道の事例─
1.4 規制緩和で変わる過疎地域の交通体系─中国地方─
第2章 自治体のバス維持策と過疎バスの現状
2.1 自治体財政の危機と生活交通の確保
2.2 国と地方によるバス廃止後の足の確保制度
2.3 県の補助制度と地域協議会─北陸地方─
2.4 群馬・栃木県における路線バスの変遷
2.5 島嶼地域の公共交通体系─北海道奥尻島の事例─
第3章 広域自治体による越境バスサービスの確保
3.1 廃止代替バスと越境対応─岐阜県─
3.2 第三セクターによるバス運営─広島県能美島の事例─
3.3 広域市町村による単独補助の試み─青森県津軽地方の事例─
第4章 住民組織によるバスサービスの確保
4.1 都市近郊での住民組織によるバス運営─愛知県の事例─
4.2 過疎地域の交通ニーズと新路線開始─青森県鰺ヶ沢町の事例を中心に─
第5章 自治体コミュニティバスと乗合タクシー
5.1 群馬・栃木県の自治体コミュニティバス
5.2 中国地方の自治体コミュニティバス
5.3 中国地方の乗合タクシー等の新しい交通システム
第6章 総括:市場変化と自治体の対応
索引
日本交通政策研究会研究双書PDF
内容説明
乗合バス事業の規制緩和は地方のバス交通に何をもたらしたのか。規制緩和前後の動向と結果について実態調査から問題点を整理し、地方自治体の進むべき方向を示唆する。
目次
序章 本書の論点
第1章 規制緩和後のバス市場の変化
第2章 自治体のバス維持策と過疎バスの現状
第3章 広域自治体による越境バスサービスの確保
第4章 住民組織によるバスサービスの確保
第5章 自治体コミュニティバスと乗合タクシー
第6章 総括:市場変化と自治体の対応
著者等紹介
寺田一薫[テラダカズシゲ]
1957年千葉県生まれ。1980年慶應義塾大学商学部卒業。1986年慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程修了。徳山大学経済学部専任講師、東京商船大学商船学部助教授等を経て2002年東京商船大学商船学部教授。2003年東京海洋大学海洋工学部教授。商学博士。専門は交通政策、公共経済論、物流経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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