出版社内容情報
本書は、アフリカという、現実世界ばかりではなく社会科学の学問世界においても、最も片隅に追いやられてきた地域の現実から、社会科学の保守本流ともいうべき方法論的個人主義に立つ「普遍的」諸理論を問い直そうとするものである。アフリカにおける開発と国家を語ることによって、欧米をも、アジアをも、日本をも、そして世界をも語ることが、本書が負わなければならない責任である。
はじめに
序章 個別と普遍:政治研究者のアフリカへの眼差しから
第1節 開発政策支援の権力性
第2節 アフリカ:最後の第三世界
第3節 開発研究と合理的選択論
第4節 第三世界論から〈闇の奥〉へ
第5節 冷酷なる「普遍」
第1章 方法論:開発研究と地域研究の架橋を目指して
第1節 経済学とアフリカ地域研究
第2節 人間像と社会的関係
第3節 政治経済研究の方法論的枠組み:開発研究と地域研究の架橋
第2章 権力と収奪:新政治経済学の再検討
第1節 アフリカ国家論の系譜
第2節 合理的選択とアフリカ国家
第3節 農業-工業間資源移転論
第4節 比較制度分析:収奪国家、結託国家と開発主義国家
第5節 アフリカにおける農村開発政策の失敗
第3章 農業と政府:穀物土地生産性とその決定要因
第1節 アフリカの困難と農業危機
第2節 アフリカにおける穀物生産停滞のメカニズム:仮説の提示
第3節 政府の農業向け財政配分と先進技術
第4節 農民による先進農業技術の受容
第5節 人口増加、農業振興および開発政策
第4章 民族と近代:難問としての「部族」主義
第1節 アフリカ国家の内在的分析に向けて
第2節 民族多様性と経済成長
第3節 言語と民族の流動性
第4節 アフリカにおける国家、民族、および移動
第5節 民族と「部族」主義
第5章 希少性と「国民」:独立の見果てぬ夢
第1節 国民の構築とアフリカの経験
第2節 ケニアの自然・資源、生産、および人間
第3節 独立後のケニアにおける政治経済体制
第4節 ケニアの農業発展とその終焉
結章 対話と国家:21世紀のための覚書
第1節 人間の安全保障と貧困削減
第2節 開発援助とアフリカ
第3節 アフリカ政治経済研究の課題:考察の到達点と限界
第4節 開発と対話の世紀へ
参考文献
人名索引
事項索引
内容説明
近現代史の困難と矛盾を背負ってきたアフリカの21世紀のために…。政治経済学をはじめとする従来の社会科学を問い直し、開発研究と地域研究の架橋を目指す、独創的な国家論の誕生。
目次
序章 個別と普遍:政治研究者のアフリカへの眼差しから
第1章 方法論:開発研究と地域研究の架橋を目指して
第2章 権力と収奪:新政治経済学の再検討
第3章 農業と政府:穀物土地生産性とその決定要因
第4章 民族と近代:難問としての「部族」主義
第5章 希少性と「国民」:独立の見果てぬ夢
結章 対話と国家:21世紀のための覚書
著者等紹介
高橋基樹[タカハシモトキ]
1959年生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業。ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院修了(国際関係論修士‐アフリカ研究)。日本郵船(株)、(財)国際開発センター、神戸大学大学院国際協力研究科助教授、タンザニア・ダルエスサラーム大学経済研究所客員研究員を経て、神戸大学大学院国際協力研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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