出版社内容情報
アニメやテレビ番組、ゲーム制作といったコンテンツ産業の多くは、中小企業が担っている。それらの企業はある特定の地域に集まっていることが多い。これはいかなる理由により、またどのような利点があるのか。集積しているからこそイノベーションが起こるのだろうか。丹念な調査から浮かび上がるコンテンツ産業の実態。
内容説明
創造的イノベーションを生む地域、その社会的条件を問う。良い作品を生む企業が持続的に存在するためには何が必要なのか。地域はどのような役割を果たすのか。
目次
第1章 序論
第2章 問題の所在と研究視角
第3章 コンテンツ産業の立地と市場規模概観
第4章 テレビ番組制作業の地域的展開と産業集積
第5章 アニメーション産業における工程分業の進展と産業集積の形成
第6章 アニメーション産業におけるデジタル化と地理的変容への萌芽
第7章 家庭用ビデオゲーム産業における分業と産業集積
第8章 家庭用ビデオゲーム開発技術の変化と福岡市におけるゲーム産業集積の誕生
第9章 結論
著者等紹介
半澤誠司[ハンザワセイジ]
神奈川県生まれ。現在、明治学院大学社会学部准教授。専門は経済地理学。2007年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。大阪市立大学都市研究プラザ博士研究員。2009年明治学院大学社会学部専任講師。2012年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Chicken Book
8
コンテンツ産業の研究ってこういうこと調べるのかーって勉強になった。Nintendo Switchが出たあとのゲーム産業についてもぜひ調べていただきたい。2021/05/21
富士さん
3
テレビ番組、アニメ、ゲームを実地調査し、その特徴をまとめるとともに比較した名著。個人的にはアニメ業界しか知りませんが、正確な情報が簡潔にまとめられていると思います。今後、2000年代初頭はこうだったという歴史資料にもなるだろう貴重な仕事です。アニメ関連では、テレビ制作との比較も垂涎の論考でしょう。ただ、本書の意義は娯楽コンテンツの制作環境の理想として「冗長性」の重要さを指摘したことにあると思っています。単発の成否からポートフォリオと確率の高低へ、この分野の評価基準をひっくり返すものになるように思います。2024/09/20