内容説明
“頭脳流出”から“頭脳還流”へと転換した台湾。多国籍企業へと大きく変貌したTSMC、メディアテック、鴻海、群創、華碩の成長過程を解明する。
目次
第1章 台湾積体電路製造(TSMC)の企業戦略―世界最大のファウンドリー企業の成長過程(工業技術研究院からのスピンオフ;TSMCの技術力 ほか)
第2章 聯発科技(メディアテック)の企業戦略―中国・山寨携帯電話のプラットフォームを支えた半導体設計企業(聯発科技の沿革;光学ドライブ用チップ ほか)
第3章 鴻海(ホンハイ)の企業戦略―世界最大のEMS企業の成長過程(草創期(1974~1980年)
成長期(1981~1990年) ほか)
第4章 群創光電(イノラックス)の企業戦略―奇美電子買収後のサプライチェーンの構築(液晶パネル産業のサプライチェーン;奇美電子の沿革 ほか)
第5章 華碩電脳(エイスーステック)の企業戦略―マザーボードからの多角化経営(華碩の沿革;華碩の組織構造 ほか)
著者等紹介
朝元照雄[アサモトテルオ]
1950年生まれ。筑波大学大学院社会科学研究科博士課程修了・博士(経済学)。株式会社日立製作所技術部主任・副参事、ハーバード大学フェアバンク東アジア研究センター客員研究員を経て、九州産業大学経済学部教授・同大学大学院経済・ビジネス研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koi
2
ファウンドリー企業としての発展(ファブレス企業が垂直統合IDM型企業に委託すると情報流出&自社ロット優先)の要因。台湾の国策としての工業技術研究院(ITRI)からのスピンオフ。TSMCの最大の競争武器は高水準製品の製造技術。ICICの企業文化(integlity,commitment,innovation,custmor focus)。資産の大小ではなく企業の発展性を重視する共同成長モデルにて支援を行う。ファウンドリー産業は景気動向やヒット製品に左右される水商売。研究開発の重点は製造工程の歩留まり率の向上2022/05/19
葉
1
ファウンドリーという自社ブランドを持たず他社から半導体の製造委託を受けるビジネスで台湾積体電路製造(TSMC)の企業戦略についてSWOT分析を示しながら初書かれている。企業の戦略では、国内の出資状況が乏しくなると、政府は海外で名が知られた該私企業の出資者を見つけ、国内の投資家の信頼を得るという戦略がある。メディアテックの破壊的なイノベーションについてCD、DVDのチップについて光学ドライブ製品の規格比較などが書かれている。世界最大のEMS企業のホンハイについてパソコンシステムのスマイルカーブ理論がある。2014/11/14