出版社内容情報
本書は、開発経済学における最も有名な理論モデルの1つであり、賃金率格差による国内労働移動を説明したいわゆるハリス=トダロー・モデルをとりあげ、純粋な新古典派2部門モデルであるヘクシャー=オリーン=サミュエルソン・モデルがどのように変容を遂げながら、途上国経済の国内労働移動を説明するに至るのかその過程を詳説する。
はしがき
第1章 序論
第2章 ヘクシャー=オリーン=サミュエルソン・モデル
2.1 リカード・モデルと HOS モデル
2.2 生産技術と新古典派型生産関数
2.3 HOS モデル:ケンプ=サミュエルソン・タイプ
2.4 変数間の対応関係
2.5 HOS モデル:ジョーンズ・タイプ
2.6 価格面と数量面の分離性と相互依存関係
2.7 要素報酬の変化と財価格の変化の関係
2.8 要素賦存量の変化と生産量の変化の関係
2.9 拡大効果
2.10 需要の内生化
2.11 生産補助金の導入
第3章 ディストーション・モデル
3.1 ディストーション
3.2 変形率と技術的限界代替率の関係
3.3 ディストーションの一般理論
3.4 賃金格差がもたらすディストーション
3.5 賃金格差を含む 2 部門一般均衡モデル
3.6 モデルの変形
第4章 要素集約度
4.1 数量的要素集約度
4.2 価額的要素集約度
4.3 要素集約度の逆転
4.4 変数間の対応関係と要素集約度
第5章 部門間賃金格差を伴う諸外生変数の変化
5.1 財価格の変化が産出量に及ぼす効果
5.2 財価格の変化が要素報酬に及ぼす効果
5.3 要素賦存量の変化が産出量に及ぼす効果
5.4 部門間賃金格差の拡大が産出量に及ぼす効果
第6章 失業と賃金格差を伴うモデル
6.1 失業の導入と部門間賃金格差の内生化
6.2 要素賦存量の変化が産出量に及ぼす効果
第7章 特殊要素モデル
7.1 部門別特殊要素
7.2 特殊要素モデル:ケンプ=サミュエルソン・タイプ
7.3 特殊要素モデル:ジョーンズ・タイプ
7.4 価格面と数量面の相互依存関係
7.5 完全雇用条件式の変形
7.6 完全競争条件式の変形
第8章 特殊要素モデルによる比較静学
8.1 生産要素報酬に関する比較静学
8.2 財価格の変化が実質賃金に与える効果
8.3 産出量に関する比較静学
8.4 拡大効果
第9章 ハリス=トダロー・モデル
9.1 仮定とモデル
9.2 変数の決定関係と財の相対価格の定式化
9.3 フィリピン・セブの事例
9.4 トダローズ・パラドックス
9.5 最低賃金を伴う都市部での資本蓄積の効果
9.6 都市部失業の増減について
9.7 都市部の失業解消のための条件と経済援助
参考文献
索引
内容説明
開発経済学の主要理論の1つである「ハリス=トダロー・モデル」をとりあげ、賃金率格差による国内労働移動と諸経済変数の動きを比較静学によって分析する。
目次
第1章 序論
第2章 ヘクシャー=オリーン=サミュエルソン・モデル
第3章 ディストーション・モデル
第4章 要素集約度
第5章 部門間賃金格差を伴う諸外生変数の変化
第6章 失業と賃金格差を伴うモデル
第7章 特殊要素モデル
第8章 特殊要素モデルによる比較静学
第9章 ハリス=トダロー・モデル
著者等紹介
長島正治[ナガシママサハル]
1963年生まれ。九州大学大学院経済学研究科修了。現在、埼玉大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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