出版社内容情報
1600年ころ以降の日本経済における循環的成長過程を分析。あわせて英米のコンドラチェフ物価振動の状況についても検討する。
日本の景気循環研究の第一人者・藤野正三郎教授による近世日本の経済成長と景気循環をめぐる論稿。市場経済が発達しはじめた近世(江戸時代)の景気循環を、土木工事、北前船の出航・人航数、絵馬の奉納数から読み解く。数量経済史としてもその観察と分析の鋭さに驚かされる。
[関連書] 同著者 『日本のマネーサプライ』(勁草書房刊)
はしがき
第1部 1600年~1867年の経済成長・景気循環
第1章 農業建設投資活動と経済成長・景気循環:
1600年-1868年
0 はじめに
1 農業建設投資活動
2 日本海西回り航路の発展
3 18世紀後半から19世紀前半にかけての日本経済
4 大阪の景気循環:1788年-1862年
5 全国的市場連絡の成立・成長経路の
上方転換・景気循環の発生
6 明治維新
第2章 長期波動:1797年-1885年
0 はじめに
1 船籍地別入港船数
2 浜田需要回数と浜田供給回数
3 浜田累積景気動向指数
4 結び
第3章 絵馬が語る景気循環
――関東地域の景気循環:1831年-1905年――
0 はじめに
1 熊谷年別残存絵馬数と景気循環
2 インフレ率・熊谷指数総合累積DIの作成
3 長期波動の状況
第4章 景気循環
――東と西:1831年-1878年――
0 はじめに
1 中期循環
2 短期循環と中期循環
3 長期波動は存在したか
4 結び
第2部 日本の景気循環と世界経済の動態
第5章 景気指数:1888年-1940年
0 はじめに
1 景気指数と景気循環――主として在庫循環を中心に――
2 設備循環指数と設備循環
3 原データについて
第6章 世界経済体制の長期動態と日本
――コンドラチェフ波動について――
0 はじめに
1 物価の変動と国際通貨体制
2 産業革命と政治,経済体制
3 望まれる新しい国際通貨体制の構造とその条件
4 景気の現状と体制の見直し
付 論 人間と国家と革命
0 はじめに
1 所有権と国家
2 平和的生存と古典派成長理論
3 荘園国家と絶対王制国家の経済モデル
4 経済発展と革命:free rider と ideology
5 技術進歩・人口成長・資本蓄積と新古典派成長理論
6 人間とは
引用文献
事項索引
内容説明
江戸時代を中心に1600年ころ以降の日本経済における循環的成長過程を分析。あわせて英米のコンドラチェフ物価波動の状況についても検討。
目次
第1部 1600年~1867年の経済成長・景気循環(農業建設投資活動と経済成長・景気循環:1600年‐1868年;長期波動:1797年‐1885年;絵馬が語る景気循環―関東地域の景気循環:1831年‐1905年;景気循環―東と西:1831年‐1878年)
第2部 日本の景気循環と世界経済の動態(景気指数:1888年‐1940年;世界経済体制の長期動態と日本―コンドラチェフ波動について)
付論 人間と国家と革命
著者等紹介
藤野正三郎[フジノショウザブロウ]
1927年福岡県に生れる。1951年東京商科大学卒業。現在、一橋大学経済研究所教授を経て、立正大学経済学部教授・一橋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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