社会的選択理論―集団の意思決定と個人の判断の分析枠組み

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  • サイズ A5判/ページ数 218p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326502660
  • NDC分類 331.74
  • Cコード C3033

出版社内容情報

政治学や経済学、哲学・倫理学の中に、アローの定理にはじまる社会的選択理論の居場所を与える。数学が不得意な人でも読める入門書。

人々の好みや意見というものは、とても多様で衝突することもある。それでも、誰か一人の意見で決めないで、みんなの意見に基づいて問題を解決することは可能だろうか。アローやセンの問いの意義と主要トピックス、選挙制度や経済政策の決定手続き、権利や正義などの道徳的判断まで幅広く扱う好著。

関連書:セン『集合的選択と社会的厚生』、加藤寛編『入門公共選択』(小社刊)

第1章 序論
1.1 社会的選択理論
1.2 選挙
1.3 委員会
1.4 経済学的文脈
1.5 道徳的判断
1.6 読書案内

第2章 選好と選択
2.1 個人と選択肢
2.2 選好:記法と基本的な仮定
2.3 選択
2.4 選択肢の集合についての選好
2.5 効用

第3章 Arrow の定理
3.1 社会的選択ルール
3.2 社会的選択の定義域
3.3 独立性
3.4 全員一致性とパレート条件
3.5 独裁性
3.6 Arrow の定理
3.7 Arrow の定理の証明:伝染性
3.8 Arrow の定理の証明:集合体
3.9 Arrow の定理の証明:独裁者
3.10 別の定式化
3.11 強パレート性と独裁者の階層
3.12 固定された選好
3.13 ありえる解決策

第4章 集合的合理性
4.1 限定的経路独立性
4.2 経路独立性
4.3 準推移性と寡頭制
4.4 非循環的な選好と拡張された多数決投票
附録:伝統的な合理性条件

第5章 選択ルールの戦略的操作
5.1 操作不可能な社会的選択ルール
5.2 操作不可能性と Arrow の定理の証明
5.3 選好にたいするマキシミン基準
5.4 弱パレート性を置き換えること
5.5 決着的な社会的選択ルール
5.6 さらなる検討

第6章 多数決投票を救出すること
6.1 無差別がないときの価値制限
6.2 個人的無差別があるときの選考限定
6.3 選好限定があるときの操作可能性
6.4 多数決投票への支持
6.5 限定アジェンダ
附録:単峰的選好を数えること

第7章 権利
7.1 押しつけられた社会的選択
7.2 選ぶ権利
7.3 権利と Arrow の定理
7.4 パレート条件を犠牲にすること
7.5 権利を制限すること

第8章 正義
8.1 非個人的な正義の原理
8.2 状態の順序づけ
8.3 マキシミンとレキシミン
8.4 よりゆるい正義の原理
8.5 個人的な正義の原理

第9章 功利主義的判断
9.1 効用関数
9.2 von Neumann-Morgenstern 効用
9.3 比較可能性のない測定可能性
9.4 功利主義と正義
9.5 功利主義と Arrow の定理

文献
訳者あとがき

内容説明

政治学や経済学、哲学・倫理学の中に、アローの定理にはじまる社会的選択理論の居場所を与える。選挙制度や経済政策の決定手続き、権利や正義の道徳的判断など、主要トピックスを幅広く簡潔にまとめた入門書。

目次

第1章 序論
第2章 選好と選択
第3章 Arrowの定理
第4章 集合的合理性
第5章 選択ルールの戦略的操作
第6章 多数決投票を救出すること
第7章 権利
第8章 正義
第9章 功利主義的判断

著者等紹介

クラーヴェン,ジョン[クラーヴェン,ジョン][Craven,John]
1949年生まれ。1970年ケンブリッジ大学キングス・カレッジ卒業(専攻は数学と経済学)後、ケネディ記念奨学金を得て2年間マサチューセッツ工科大学大学院に学ぶ。ケント大学カンタベリー校に着任ののち、社会科学部の学部長、副学長、学長代理を歴任。1997年ポーツマス大学学長に就任。専攻は理論経済学と社会的選択理論

富山慶典[トミヤマヨシノリ]
1952年生まれ。東京理科大学大学院理工学研究科博士課程修了。工学博士。群馬大学社会情報学部教授。専攻は意思決定科学、社会的選択理論

金井雅之[カナイマサユキ]
1971年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。山形大学地域教育文化学部助教授。専攻は数理社会学、意思決定理論
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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昌也

1
p1「社会的選択理論は、非常に普遍的に適用可能な主題である。この理論が扱うのは、異なる人びとの見解や選好は互いに衝突するかもしれないということを前提とした上で、複数の個人の見解や選好になんらかの意味で基づいた選択や判断をおこなうことは可能か、という問題である。(中略)たとえば選挙制度などに、一見もっともらしいいくつかの条件を課した場合、その制度は非民主的になるということである。なんと、1人の個人が独裁的な力をもってしまう。この破壊的な結果が重要な意味をもつのは、選挙制度に限ったことではない。2021/04/06

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