開発の国際政治経済学―構造主義マクロ経済学とメキシコ経済

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  • サイズ A5判/ページ数 275p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326501977
  • NDC分類 332.56
  • Cコード C3033

出版社内容情報

前著『国際政治経済の理論』(小社刊、1998年)では国家間関係を中心に政治経済分析が試みられた。これに対して本書は、前著では不十分な分析にとどまった論点、すなわち国内の社会経済構造の違いがどのような影響をマクロの経済状況に及ぼすのかを検討したものである。とくにこの問いを、市場経済に対していかなる国家が対応しているのかを重視する構造主義マクロ経済学の立場から解明する。基本的モデルを構成した上で、1980年代メキシコの工業化過程の分析と IMF の経済政策の批判的検討に、そのモデルを応用した理論的研究書である

【目次】
序章 本書の課題と特徴および構成
 1 本書の課題と特徴
 2 政治経済学派と開発経済学
 3 本書の構成
 4 今後の課題

第1部 構造主義マクロ経済学
第1章 階級対立のマクロ経済学
 1 はじめに
 2 階級対立下の開放マクロ経済モデル
 3 稼働率と実質為替レート
 4 資本蓄積と対外不均衡
 5 ポピュリズムと経済成果
 6 むすび

第2章 経済開発の2部門モデル
 1 はじめに
 2 2部門モデル
 3 経済開発とインフレーション
 4 経済開発と債務累積
 5 むすび
 6 補論 インフレ課税と真の財政赤字

第3章 南北経済と資源価格の変動
 1 はじめに
 2 南北経済モデル
 3 北の稼働率と南の交易条件
 4 南北経済構造と債務累積
 5 むすび

第2部 メキシコの構造主義マクロ経済分析第4章 メキシコの経済開発戦略
 1 はじめに
 2 国家主導型の輸入代替工業化
 3 世界銀行=IMF主導型の輸出志向工業化
 4 むすび

第5章 メキシコのマクロ経済変動
 1 はじめに
 2 債務危機以前のマクロ経済変動
 3 債務危機以降のスタグフレーション
 4 1980年代のインフレーションと対外不均衡
 5 むすび

第6章 メキシコのインフレスパイラル
 1 はじめに
 2 メキシコのマクロ経済モデル
 3 賃金・物価・為替のスパイラルと対外不均衡
 4 オーソドックス型の経済安定化政策
 5 ヘテロドックス型の経済安定化政策
 6 むすび

第3部 IMF経済政策の批判的検討
第7章 IMFの経済安定化政策
 1 はじめに
 2 経済開発戦略と債務危機
 3 IMF経済安定化政策の政策目標と政策手段
 4 IMF経済安定化政策の課題
 5 むすび

第8章 債務危機後の経済安定化政策
 1 はじめに
 2 経済危機の原因と経済安定化政策の理論
 3 オーソドックス型政策の政策目標と政策手段
 4 オーソドックス型政策の効果と問題点
 5 ヘテロドックス型政策への転換
 6 むすび
 7 補論 メキシコのマクロ経済モデル

第9章 通貨危機と危機管理政策
 1 はじめに
 2 メキシコの通貨危機と危機管理
 3 通貨危機管理のモデル
 4 通貨危機とIMFの危機管理
 5 通貨危機管理の政策
 6 むすび

参考文献
事項索引
人名索引   

内容説明

社会経済構造の差異を重視する政治経済学派の視点から構造主義マクロ経済モデルを構成し、現代メキシコのインフレ・対外不均衡・通貨危機を分析すると共に、IMF経済政策の有効性を批判的に検討する。

目次

第1部 構造主義マクロ経済学(階級対立のマクロ経済学;経済開発の2部門モデル;南北経済と資源価格の変動)
第2部 メキシコの構造主義マクロ経済分析(メキシコの経済開発戦略;メキシコのマクロ経済変動;メキシコのインフレ・スパイラル)
第3部 IMF経済政策の批判的検討(IMFの経済安定化政策;債務危機後の経済安定化政策;通貨危機と危機管理政策)

著者等紹介

石黒馨[イシグロカオル]
1954年愛知県に生まれる。1985年神戸大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、神戸大学大学院経済学研究科教授。専攻は国際経済学、国際政治経済学。博士(経済学)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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